Case Study 東京産業洋紙株式会社
マニュアルなしでも
サイボウズ Officeが定着
部門を超えた情報共有で競争力アップ
- 業種
- 卸小売業
- 利用規模
- 51人~100人
- よく使う機能
- スケジュール・報告書
- 掲載日
- 2024.05.15
電子部品の材料や産業用紙など、「機能性材料」の専門商社として100年以上の歴史を持つ東京産業洋紙株式会社。同社は社内の情報共有やスケジュール管理を円滑にするため、20年以上にわたりサイボウズ Officeを活用してきた。とはいえ導入当時の同社は、老舗企業ならではのアナログな社風。それでも導入してみると、社員が便利さを感じて自然に広まったという。マニュアル作りや説明会も行っていないとのこと。どのように“自然な浸透”が起こったのか。総務部 部長の大橋一元氏、マネージャーの三田淳子氏、同じくマネージャーの小林美紀氏に道のりをうかがった。
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特別なことを行わなくても、操作がかんたんだから自然と定着
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マニュアルがないからこそ、便利な使い方や楽しみ方が広がった
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情報量が強みの同社にとって、スピーディに情報共有しやすくなったことが競争力アップにつながった
INDEX
導入背景
面倒なスケジュール管理、ゆったりとした情報共有…その状況を変えたかった
――まずは事業内容のご紹介をお願いします。
(大橋氏)
電子部品の材料などを扱う専門商社で、創業は1919年になります。おもにコンデンサ用の絶縁体材料を取り扱っており、紙が絶縁体材料に使われていたため、社名にも“洋紙”が入っています。今は蓄積したノウハウを活かして、電子部品材料に限らず多種多様な材料を扱っています。
私たちの強みは部品に関するたくさんの情報を持っていることで、町工場のような小さな会社さんとも密な付き合いがあります。AIや電気自動車など、新しい技術が出るたびに必要な材料がどんどん変わるこの業界で、材料の情報を得るために当社に訪問されるお客さまも少なくありません。材料を作るメーカーや工場と、それを使いたい方をつなぐ「情報のハブ」のような役割を担ってきました。
――御社でサイボウズ Officeを導入されたのは2000年ですが、どのような経緯だったのでしょうか。
(三田氏)
営業支援の強化と社内の情報共有をより一層円滑にすることが大きな目的でした。たとえば当時、社員のスケジュールはホワイトボードで管理していたのですが、その作業が本当に面倒だったんです(笑)。社員の出張申請書、直行届、休暇届といった届出書類は各部門の上長を経て総務部に集まります。これを私たち総務部が取りまとめて毎日夕方にホワイトボードに書いていました。何人もの予定を一気に書くので字が汚くなったり、前の予定を消し忘れたり。もっとかんたんにスケジュールを共有したいと思っていました。
(大橋氏)
もうひとつ、当社は部門ごとに1週間に起きた出来事を「週報」という形でまとめ、社内で共有しているのですが、これも昔は紙で回覧してハンコを押していました。しかし先ほどお話しした通り、私たち専門商社にとって、情報量は大きな武器になります。そのため、週報の共有をスピードアップすることで、より競争力を高めることができると考えたのです。
(三田氏)
なかば私の独断により、グループウェアを導入することにしました。いくつかの製品を検討した中で、最終的な候補に残ったのが2製品。それらのデモ版を操作して比較した結果、サイボウズ Officeに決めました。当時はクラウド版はなかったので、パッケージ版を導入しましたね。
――サイボウズ Officeを選んだ決め手はどこでしたか。
(三田氏)
かんたんに操作できること、感覚的に社員が使えそうなことが何より大切でした。実際に私と上司で検討していた製品を操作してみたのですが、入力のしやすさや画面のわかりやすさは圧倒的にサイボウズ Officeが良いと感じたんです。それは当時から現在まで20年以上変わりません。
利用方法1
色分けでわかりやすいスケジュール、
社員が自然と“良い使い方”を提案
――具体的なサイボウズ Officeの利用方法について教えてください。
(三田氏)
さまざまな機能を使っていますが、やはり導入のきっかけになった「スケジュール」は全社員が当たり前に活用しています。社員の予定に加えて、会議室などの施設予約やウェブ会議システムの予約にもこの機能を使っていますね。
社員から好評なのは、予定内容に応じて色をつけられることです。「外出」なら青、「来客」なら赤、社内の「打合せ」ならオレンジなどですね。
(小林氏)
色分けできるのはすごく良いですよね。その人の予定を細かく確認しなくても、ぱっと見て「赤やオレンジが多いので今日は社内にいる時間が長い」とわかります。「(その人に)仕事の相談をするのは今日が良さそうだ」と予定を立てられやすいですよね。
(大橋氏)
部下と上司のコミュニケーションも楽になりました。たとえば部下が上司に時間を作ってもらうとき、これまではまず口頭で「この日の何時に予定を入れていいですか?」と上司に確認する作業がありましたが、今はそういう手間がなくなり、直接「スケジュール」を確認して、空いていれば登録するようになりました。スピード感が出ますし、フロアではよく「(サイボウズ Officeの)『スケジュール』に登録しておきますねー!」という声が聞こえます。
(三田氏)
社員が使ううちに自然と定着した“決まりごと”もあります。たとえば社内会議をスケジュールに入れる際は、使用する会議室も件名に入れています。すると、予定の詳細から会議室を見なくてもカレンダーの一覧画面で会議室がわかるので便利なんです。また、外出、午前休、午後休も何時から何時までと時間を入れて、社員の見間違いを予防するなどの工夫をしていますね。これらはルールとして設定しているわけではなく、使ううちに社員が「こうした方がいい」と考えて、次第にみんなが自然とやっていますね。
利用方法2
週報には報告書を活用、
部門を超えた情報交換がスムーズに
――そのほかによく利用されている機能はありますか。
(三田氏)
先ほど話した各部門が出す週報については「報告書」を活用しています。お客さまとの商談の結果や出荷の見通しなどを記載していますね。
導入当初に週報を運用する際のルールを4つ定めました。
・お客さまごとに過去の履歴一覧を確認できるように、「アドレス帳」(※企業や個人の連絡先を管理するサイボウズ Officeの機能)を紐づけること
・あとで検索しやすいように、本文は添付ファイルではなく入力フォームに記載すること
・全員が見られるよう閲覧制限はかけないこと
・週報をアップした際の通知先には、部門メンバー/取締役/管理職を設定すること
これもきちんと説明するというより、最初の頃に登録された週報をこちらでルール通りに直してあげて、それを見本にする形で浸透していきました。たとえば、アドレス帳の紐付けも週報を記入した人が各自で登録していますが、最初は漏れていることもあったので、その都度私たちが直したりフォローしたりしていました。もう最近は無くなりましたね。ほかにも株式会社は(株)で登録するなど、簡単な登録ルールを作りました。
(大橋氏)
週報をサイボウズ Officeに移行してから、部門を超えた情報共有も簡単になりました。たとえば既存のお客さまに対して別の部門が新しくアプローチしたい場合、今までなら担当営業に会社や電話などで直接を問い合わせて、それから対策を立ててという過程を踏んでいました。今は「アドレス帳」からそのお客さまを検索すれば週報の履歴が出てきます。そこで取引実績や詳細を知れるので、効率よく、素早く対策を立てられるようになりました。
(小林氏)
社長や役員が週報を細かく見ていて「この件もう少し詳しく教えて」とコメントしたり、時間が空いてから「この件ってどうなった?」と質問が飛んだりということがよくありますね。社長や役員からコメントが入ると、営業担当としては見てもらえているんだなと、モチベーションも上がっているのではないでしょうか。
社内浸透
抵抗はナシ、かんたん操作なので誰かが使って便利とわかれば周りが真似していく
――先ほど「なかば独断で導入した」というお話がありましたが、サイボウズ Officeを使い始めてから社員の方の反響はいかがでしたか。
(三田氏)
大きな抵抗はなかったと思いますね。もちろん最初から全員が使ったわけではありませんが、操作がかんたんなので使ってみようという社員が出てきて、そういう人の様子を見ると、使うことで今までより便利になることは明らかでした。すると「私も使ってみよう」という社員が増え、自然と広まりましたね。「うちの会社には難しいかも」「うまく浸透するかな」と考え過ぎず、強引にでも導入したのが良かったのかもしれません(笑)。
(大橋氏)
私みたいなITに詳しくない人間でもできたんです(笑)。特に苦労したこともありませんでした。
(小林氏)
本当に自然と社員が慣れていく感じでしたよね。細かく操作方法を説明しなくても、みんなパッと見で使えるのが大きかったと思います。新入社員にも使い方を説明したことはありません。実際に触りながら覚えていくというか。ここのボタンを押すとこうなるんだと、その場で学んでいったと思います。
――導入時のマニュアルは作っていないということですか?
(三田氏)
そうですね、マニュアルは作っていませんし、説明会のようなこともしていません。最初に若干の運用ルールを作成したくらいです。実際に使う中でルール通りにできていないケースを見つけたら、その都度私たちで直したり、その社員に「次はこうしてくださいね」とアナウンスしたり。それで徐々に軌道修正していきました。今はそういうこともほとんどなくなりましたね。
(小林氏)
使っていく中で、逆に社員から「こうした方が使いやすい」「こういう記入の仕方にしよう」とアイデアが上がってくることも増えました。自然と便利な使い方が社内で共有されていったんです。今ではトップページのデザインをカスタマイズして楽しんでいる人も多いですね。
――2020年にはそれまでのパッケージ版からクラウド版に移行されています。どのような経緯でしたか。
(三田氏)
パッケージ版を使っていると、データのバックアップやソフトのバージョンアップなど、定期的にさまざまなメンテナンスをしなければなりません。また、会社のサーバーをメンテナンスする際も、サイボウズ Officeを一時的に利用停止にせざるを得ませんでした。今や社員にとって、なくてはならないツールですから、利用できない時間を作ることで社員に迷惑をかけてしまうという申し訳なさもありました。
こうした理由からクラウド化を考え始め、コロナ禍を機に実現できました。以前は週1〜2回行っていたデータのバックアップ作業や、利用停止の時間が無くなったのはうれしいですね。自分たちでバージョンアップを行う必要もなく、常に最新の状態で使えるのは大きいです。
(小林氏)
クラウドになって出先から見るのがより便利になりましたね。営業社員が次の訪問先で必要な情報を移動中に見たり、掲示板の情報をタイムリーに外で把握できたり、ふと気になったときに来週のスケジュールを家で確認したり。自分のタイミングで情報を得られますし、スキマ時間も使えるので業務の効率も良くなりました。
導入効果
サイボウズ Officeで情報が隅々に広がり、
社内に協力者を生みやすくした
――サイボウズ Officeの利用により、どんな効果を感じていますか。
(大橋氏)
やはり大きいのは格段に情報共有がしやすくなったことです。スピーディに情報が社内に行き渡るようになりましたよね。最初に話したように、私たちの会社は他の会社が持っていない部品材料の情報をお客さまに提供するのが強みであり、それが競争に勝つポイントです。部門をまたいだ情報や、他の部で何をしているかなど、最新の動きを共有できているのはメリットですね。
以前なら当事者同士の会話で終わっていたことも、今はサイボウズ Officeを通して容易に協力者が加わることができます。週報の内容を見て「その話なら私も力になれますよ」「その情報なら持っていますよ」とサポートしてくれる人が生まれやすいですよね。
(三田氏)
他部門の社員の人物像や働きぶりがわかるようになったのも、見逃せない効果かもしれません。小さな会社でも一緒に仕事をしていないと人柄を知りにくいですが、サイボウズ Officeを通して知ることができていると感じます。
20年以上サイボウズ Office使っているのでさまざまなデータが蓄積されています。それが会社の財産になっていますね。本当に使い勝手が良いので私の妹たちにも会社で導入したら?と薦めたくらいです(笑)。これからも長く使い続けていきたいと思います。
――貴重なお話をありがとうございました。これからもサイボウズをよろしくお願いします。
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