サイボウズ Office

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Case Study 株式会社 成田デンタル

日報は営業の教科書
個のノウハウを全社で共有する方法とは

株式会社 成田デンタル

業種
卸小売業
利用規模
101人~300人
よく使う機能
カスタムアプリ・掲示板
掲載日
2022.02.10

株式会社成田デンタルは、歯科医院と歯科技工士の間に入り、2者間の受発注を仲介する「歯の専門商社」だ。全国約150社もの技工所をネットワーク化して流通を最適化する「成田リンクシステム」を構築し、売上高を劇的に伸ばしている。
「自分ではなく相手のため」という仕事の姿勢を大切にする同社では、個人のスキルやノウハウも社員全員のものとして共有されている。この情報共有が会社にもたらした効果について、代表取締役 石川典男氏、デジタル推進室 室長 吉原大騎氏、柏営業所 リーダー 渡邊廉氏にうかがった。

Point

  • 残業の原因「紙の日報」をサイボウズ Officeで電子化

  • 日報を通じて「個のノウハウ」がみんなのものに

  • 社員全員の情報を活用し合い100人で200馬力を出せるように

導入背景

紙の日報は情報共有の役にたっていなかった

――サイボウズ Office導入のきっかけを教えてください。

(デジタル推進室 室長 吉原氏)
以前は、日報を紙の用紙に手書きしていたのですが、その日報を電子化するためにサイボウズLive(※)を導入しました。その後、サイボウズLiveのサービス終了をきっかけに、データをそのまま引き継げるサイボウズ Officeに切り替えました。
※2010年から2019年までサイボウズが提供したグループウェア

――手書きの日報時代の課題を教えてください。

(代表取締役 石川氏)
当時、当社では1日11時間程度の労働が常態化していました。こんな働き方では今後の採用活動にも影響が出てくるのでは、という心配がありました。

どの業務にこんなに時間がかかっているのかを洗い出したところ、業務終了後の日報作成に時間を費やしていることがわかりました。営業先から帰社した後に、あらためて1日の活動を思い返し、何を書こうか考えるところから始めないといけなかったからです。

また、日報は1週間分を1枚の紙に書く仕組みでした。それが営業所から本社に週1回まとめて届くのですが、文字が汚いものもあるので大変読みにくい状況でした。

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日報を記入していた用紙
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代表取締役 石川氏

電子化すれば、外出先で空いた時間にスマートフォンから日報を書けます。また私や営業所長など、日報を確認する側は読みやすい文字で、毎日日報を確認できるようになります。このような経緯でサイボウズLiveを経て、サイボウズ Officeの利用に至りました。

(柏営業所 リーダー 渡邊氏)
社長の前で恐縮ですが、私は当時、紙の日報をとても適当に書いていました。毎日バリバリ営業をしていたので、1日の営業活動が終わると「よし、終わった!」と気持ちがショートしてしまい、書くのが億劫で、読めないほど汚い文字で日報を作成していました。

その一方で、私は「隣席のトップ営業マンがどんな営業活動をしているのか知りたい、日報を見られたらいいのに」とも思っていました。しかし、日報はあくまで上司や社長が見るものであり、私たち営業メンバーには同僚の日報を見る機会はありませんでした。
そのためトップ営業のノウハウを知るには自分から教えてもらいに行く努力が必要で、実質、仲のいい先輩でなければ活動内容を知ることはできませんでした。情報がほしいのに手に入らない、そんな時代でした。

利用方法1

電子化で日報が「全社員分の教科書」に

――サイボウズ Officeで、どのように日報を書いているのでしょうか?

(デジタル推進室 室長 吉原氏)
当社では「掲示板」で日報を書いています。1人1つ掲示板を作成して、営業所別にカテゴリ分けしています。各自が自分の掲示板にコメント機能を使って日報を書き込みます。気になる人の日報があれば、誰でも閲覧できる状態になっています。

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「掲示板」で運用されている日報

(代表取締役 石川氏)
最初はみんながなかなか入力しないことが課題でした。書いても反応がなければ誰も書かなくなるものです。そこで私は全員分の日報を読んで、良いと思うものがあればコメントを書いたり、私の掲示板で取り上げて紹介したりしています。

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日報に対する石川氏のコメント

(デジタル推進室 室長 吉原氏)
社長の掲示板には、社長が「みんなに伝えたい!」と思う日報がまとまっているので、ここを見るだけでも優れたノウハウを吸収できます。全員分の日報を見るのは大変なので、新人さんには「まずはここをずっと見ておこう!」と伝えています。

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石川氏がピックアップした日報が掲載される専用掲示板
石川氏のコメント付きで全社に再発信される

――紙で日報を書いていたときと比べて、どんな変化がありましたか?

(柏営業所 リーダー 渡邊氏)
サイボウズ Officeで日報を書くようになって、ノウハウを共有できる幅がこれまでの1営業所5〜20人前後から、一気に全社にまで広がりました。
例えば、先日ある歯科医院で先生に「患者さんにどの商品を選べばいいかわかりにくい」と言われたので、商品の早見表を作成してお渡ししました。早見表のアイデアは、昔トップ営業の方がやっていたもので、紙の日報時代には隣席の私だけが知っているノウハウでした。

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柏営業所 リーダー 渡邊氏

それを今はサイボウズ Officeを通じて全社に伝えることができます。
すると「こういうことをしたらいいんだ!」と気づいて実践した社員が、営業活動がうまくいきましたと報告してくれるんです。すごい時代になったと思います。日報は「全社員分の教科書」です。

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日報では様々な営業ノウハウが共有されている

利用方法2

カスタムアプリにデータを貯めて、営業に活かす

ーーカスタムアプリの活用方法を教えてください。

(デジタル推進室 室長 吉原氏)
紙・FAXで行っていた営業の新規取引先・開拓情報の登録フローを、カスタムアプリに置き換えました。以前は、営業が紙の申請書に手書きで記入して本部にFAXし、承認が完了したら手動で販売管理システムに入力、データの集計はエクセルでやっていました。入力ミスが発生することも多く、一連の業務には手間も時間も必要でした。
カスタムアプリで管理するようになって、この一連の業務にかかる時間は半分以下になりました。

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デジタル推進室 室長 吉原氏

当社ではサイボウズ Officeはデータを貯める場所と考えています。
日報に貯まった営業ノウハウを活用するように、新規取引先・開拓情報のカスタムアプリに蓄積されたデータも、BIツールで分析して営業活動に役立てています。

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導入効果

フィロソフィに支えられた情報共有で職場が活性化

ーーサイボウズ Officeで情報共有することで得られた効果を教えてください。

(代表取締役 石川氏)
やはり、社員同士がお互いの持っている情報を活用できるようになったことが大きな効果だと思います。
自分だけなら1馬力、100人いたら100馬力です。ところが情報を共有すれば、同僚のスキル・ノウハウも使えるので100人で200馬力も出すことができます。

(柏営業所 リーダー 渡邊氏)
サイボウズ Officeを使うことで、部下の承認欲求を満たしてあげることもできるようになったと感じています。若い世代の社員は、「いいね!」やコメントの数で上司が見てくれていることを感じます。
サイボウズ Officeのようなツールがなければ、同じ営業所でも毎日全員とコミュニケーションを取るのは難しいことです。営業所のリーダーとして、サイボウズ Officeで毎日部下の活動を見て、「いいね!」やコメントでコミュニケーションできるようになった効果は大きいです。

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サイボウズ Officeで上司・部下のコミュニケーションが活発に

(デジタル推進室 室長 吉原氏)
日報を誰でも見られるようになったので、直属上司だけでなく他の営業所長にも自分の成果をアピールできるようになりました。サイボウズ Officeで情報発信することが自分をブランディングすることにつながり、異動やキャリアアップのきっかけになるんです。
このような効果を社員にはうまく活用してほしいと思っています。

ーーとはいえ、自分から情報発信するのは難しいと感じる人もいると思います。どのようにしてそういった風土をつくっているのでしょうか?

(代表取締役 石川氏)
確かに、自分が情報を発信する側に立つのは難しいものです。普通は、誰かが共有してくれた情報を見るだけで満足してしまいます。しかし、情報共有を活発にするには、もらうばかりではなく自分も積極的に情報を出さなければいけません。

そこで必要になるのが、「自分が」ではなく「相手が」という考え方を持っていること。もう一つは、会社全体の目的や目標があって、それに向かって自分たちはどうすれば良いかを考えられることです。このような考え方を、わたしたちは「成田フィロソフィ」にまとめています。
そういった相互扶助の想いがあってはじめて、100年企業を目指ざせる会社になっていくと思っています。

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仕事をしていく上での基本的な考えをまとめた「成田フィロソフィ」
営業所では毎日10分の読み合わせ勉強会を行っている

成田フィロソフィ(一部抜粋)
・仕事の意義は、歯を通して笑顔を作ること。
・自分がではなく、相手はという考え方を持つ。
・ラクをしない。地味な努力を積み重ねる。

今後の展望

さらなるデータ活用を可能にするシステムを

ーー今後のIT活用に関して御社の展望をお聞かせいただけますか。

(デジタル推進室 室長 吉原氏)
今後さらにデータ活用ができるシステムを構築したいと思っています。
100年続く企業を目指すには、今後「顧客管理」が必要になってきます。サイボウズ Officeで営業担当ごとに、「こんな製品を受注した」「こんなトラブルがあった」を共有するところまでできました。これを顧客情報に紐づければ、お客様ごとの状況が見えてきます。

これを実現するツールとして、サイボウズ Officeと同じサイボウズが提供するkintone導入を検討しているところです。サイボウズ OfficeではCSV書き出しでやっていたBIツールとの連携も、kintoneを使えば自動化できます。
これから、もっとデータ活用の文化を社内に広めていきたいと思っています。

(代表取締役 石川氏)
今まではルート営業が主軸だったので、顧客管理の必要性はそこまで高くありませんでした。しかし、歯科業界も移り変わりが早いので、5〜6年先には必要になってくると思います。
細かい要望や訪問履歴などをお客様ごとに管理できるようになると良いですね。

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ーー今後ともサイボウズの製品をよろしくお願いします。ありがとうございました。

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