Case Study 株式会社グローバルカンパニー
中古建設機械販売、6年で売上50億突破。海外進出の裏側でサイボウズ Officeが担った役割とは
- 業種
- 卸小売業
- 利用規模
- 6人~50人
- よく使う機能
- カスタムアプリ・スケジュール
- 掲載日
- 2020.04.22
株式会社グローバルカンパニーは神戸を拠点に建設機械の買取・販売事業を展開している。創業は平成24年、すぐに世界中に取引先を広げ平成30年には売上50億を突破した。サイボウズ Officeは設立間もない時期に導入。最初はスケジュール共有と日報から使い始め、今ではカスタムアプリで売買の詳細や経営数字を全て把握しているという。海外進出の過程でサイボウズ Officeが担った役割についてお話をうかがった。
INDEX
導入背景
事業拡大期、国内外を飛び回るメンバーとの情報共有ツールが必要に
グローバルカンパニーは日本各地から中古の建設機械を仕入れて国内外に販売している。創業間もない時期は代表の杉本氏と事務スタッフ、計3人で運営されていたが、社員が増えはじめた2014年にスケジュール管理ができるツールの必要性を感じ始めた。当時、会計を担当していた中田徳仁氏(現在は同社取締役)に相談した結果、サイボウズ Officeが導入された。
同社にサイボウズ Officeが選ばれた一番の理由は、クラウドツールであることだった。同社の社員は常に国内外を飛び回っている。そのため世界中どこでも使えるツールが必要だった。
導入当初から活用されたのがスケジュール機能だった。中古建設機械の買取は競争が激しい。見積り依頼を受けたら他社に先んじて現地に到着することが重要だ。そのため、全国を飛び回っている営業スタッフ約10人の所在を把握し、近くにいる営業スタッフが急行できるようにしたかった。サイボウズ Officeのスケジュール機能なら、営業スタッフの予定を一覧表示できるので、国内外を飛び回る営業スタッフの所在を1画面で俯瞰できる。スケジュール機能を活用した結果、営業スタッフと素早く連携がとれるようになり、買取商談の対応もスムーズになった。
営業スタッフの予定を一覧で把握
利用方法1
在庫管理・稟議決裁・集計。1アプリで3度おいしいカスタムアプリ「稟議書&在庫表」
現在、グローバルカンパニーで最も利用されているのがカスタムアプリでつくった「稟議書&在庫表」だ。作成した中田氏にアプリの機能と活用法について詳しく伺った。
その1:在庫管理
一般的な在庫管理システムの多くは、商品ごとに型番を登録し、型番ごとにロット管理することを前提につくられている。しかし中古建設機械の場合、メーカー、型番に加え、走行距離、傷の状態などを登録する必要がある。すべての商品が一点物でロット管理ができないため、既存の在庫管理システムでは対応できない。それに対し、カスタムアプリでは機械詳細・仕入れ価格・販売価格など商品に関する多くの情報を1商材ごとに登録できる。必要に応じて項目を追加・変更できることも同社の商材を管理するツールとしてぴったりだった。
「中古建設機械の在庫管理には、カスタムアプリが最適です。」と中田氏は語る。
その2:営業への周知
中古建設機械の商談では、顧客対応スピードが非常に重要だ。迅速に現場を訪問することはもちろんだが、商材に関する多くの情報をタイムリーに把握しておくことで、受注率を高めることができる。そのため、同社では「新しい商材が登録された瞬間に営業スタッフ全員に知らせること」を徹底している。このカスタムアプリでは、新しく仕入れた商材がレコード登録されると、自動的に営業スタッフにメールで通知を送信するよう設定している。営業スタッフは意識して取りに行かなくても、商材の情報を把握することができるのだ。
「在庫管理だけならExcelでもできますが、自動で通知を送ることはできません。カスタムアプリだからこそ実現することができました。」(中田氏)
その3:集計
「稟議書&在庫表」アプリに登録されたデータは、カスタムアプリの集計機能でクロス集計ができる。営業スタッフひとりひとりが商材情報を入力するだけで、全社売上・個別売上・在庫数など多くの指標を確認できる優れものだ。創業期に社長が1人で営業を担っていた頃はこれらの商材情報を書類とExcelで管理していたが、社員が増え、事業が拡大するにつれて情報が膨大になった。カスタムアプリを活用することで、集計の手間が減った上に、常に最新情報を共有できるようになった。
機械売買の全てを管理できる「稟議書&在庫表」アプリ
このアプリは様々な部門で利用している。
・社長:商品明細を確認して購入するか見送るかを決裁
・営業:商品明細を確認しながら売り買いする
・事務:入金を管理。(為替レートも自動計算可能)売れていないものを合計すると在庫管理もできる
同社の会計士もサイボウズ Officeでつながっており、会計処理とも連動している。
「このカスタムアプリは時間をかけて作りました。作成時にはサイボウズ Officeのサポートに頻繁に電話をかけて作り方を質問したり相談しました。おかげでこのアプリがあれば営業だけでなく、事務も会計部門も必要な数字を全て把握できるようになりました。」(中田氏)
利用方法2
「CSVダウンロード+Excel貼付け」の合せ技でミス知らず
先述のカスタムアプリ「稟議書&在庫表」に蓄積されたデータは社内のさまざまなシーンで活用されている。例えば「個人の月間成績表」を作成する場合。「営業Aさんの個人成績」を出すのに必要なデータを抽出できる計算式が「クロス集計とダイレクト表示機能」を使って目立つ場所にピン留めされている。事務スタッフはその計算式をクリックするとCSV形式で必要データをダウンロードできる。このCSVファイルを所定のExcelに貼り付けると、もともと入力されている関数で集計され、月間成績表が瞬時に生成される。さらにこの成績表をPDFファイルにしてサイボウズ Officeにある「会議用フォルダ」に登録。会議ではこのフォルダを参照し、ペーパーレス化も実現している。各自がそれぞれのやり方で会議のたびに資料を作ると膨大な時間がかかる上に、ミスも起こるが、カスタムアプリのクロス集計機能とExcelフォーマットを合わせて活用することで、効率化と標準化を両方達成している。
「ダイレクト表示の設定は、当月販売一覧、売掛、在庫一覧表、営業Aさんの個人成績、入金管理など多数あります。ビューの切り替え(ある用途に必要な項目だけを表示させる機能)も併用しており、担当ごとに必要箇所だけを見ることができます。これにより短時間で作業ができてミスも起こりません。また新人に集計方法を何度も教える手間もかかりません。社員が増える前からこの仕組みを作れてよかったですね。これがあればもっと会社の規模が大きくなっても大丈夫です。」(中田氏)
ビューの切り替えで必要なクロス集計を抽出可能
CSVファイルを貼りつけるためのExcel(経理用)
浸透の工夫
機能追加の要望が出たタイミングで入力を促す
グローバルカンパニーでは「現場の要望にうまく乗じること」でサイボウズ Officeを社内に浸透させてきた。同社のサイボウズ Office活用で最も大切なのは、「会社の数字を正確に把握するために営業スタッフひとりひとりに仕入れや売買の情報を漏れなく入力してもらうこと」だ。そこで、営業スタッフから機能追加の要望がでると瞬時に対応し、「要望のあった機能を追加したのでしっかり情報を入力してほしい」と伝えるという。合わせて、情報を入力することで今月の利益表など営業スタッフの必須資料を簡単に作成できるようになることも伝える。これを繰り返し、商いの情報が詳細に入力されるようになるにつれて、同社では今日・明日・今月の利益を正確に把握できるようになっていった。
導入効果
サイボウズ Officeは海外展開の一助に
サイボウズ Officeの導入効果は大きく3つある。1つ目は営業活動の効率と業務スピードが上がったこと。2つ目は経営数字をリアルタイムで把握可能になったこと。3つ目はスムーズな海外展開の一助になったことだ。
「会社は急拡大しました。国内のみの取引からスタートし、いつの間にか貿易会社になりました。拡大したからサイボウズ Officeが活きているのか、サイボウズ Officeがあったからスムーズに拡大したのかは分かりませんが、あると便利なのは間違いありません。今、もしExcelで情報共有をしていると考えるとぞっとしますよ。サイボウズ Officeはブラウザを開けば必要なデータをいつでも閲覧できるので海外との仕事がとてもやりやすいです。」(杉本氏)
そんな同社の今後の展望はアドレス帳の活用だ。取引先のデータと日報やスケジュールを連動させて営業スタッフ一人ひとりの動きをサイボウズ Officeで見える化するという。さらなる活用とともに同社の飛躍がますます楽しみだ。
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