サイボウズ Office

サイボウズ Office

Case Study 株式会社 栄住産業

「ITツールへの抵抗」を越え、 サイボウズ Officeを社内に浸透させた工夫とは

株式会社 栄住産業

業種
建設業
利用規模
101人~300人
よく使う機能
カスタムアプリ・スケジュール・報告書
掲載日
2019.07.19

株式会社栄住産業はサイボウズ Officeを国内外合わせて約30の拠点に導入し、営業報告・提案書作成管理・社内コミュニケーションなどを行っている。建築業界では「ITツールに前向きになれない社員」が多いと言われているが、同社では営業担当から施行主任にいたるまで、「便利になるなら!」という気持ちで前向きにサイボウズ Officeを利用中だ。サイボウズ Officeの活用推進担当者である林田氏に、「ITツールへの抵抗」がある中、「サイボウズ Officeがあることが当たり前」という状態にまで活用レベルを上げた、数々の工夫を聞いた。

Point

  • 担当営業しか知らなかった顧客情報を「サイボウズ Office」で共有、顧客情報が会社の財産に!

  • 誰でもかんたんに情報を入力できる」工夫を凝らしたカスタムアプリの設定

  • 「サイボウズ Office」についての「全社員統一運用ルール」を作ることで、さらなる効率化

導入背景

顧客を会社の財産にしたい

栄住産業は金属防水工法「スカイプロムナード」で屋上緑化や太陽光発電システムのプラン設計・施工を提供している会社だ。その高い防水技術で「庭付き一戸建ての夢」が屋上で叶うことから引合いが多く、2005年から2019年までの間に19拠点を増やすなど事業拡大を続けている。

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営業所が増えると拠点間の異動や中途採用者が増える。サイボウズ Office導入前、顧客の情報は営業担当者のみの情報となっており、異動や退職の際の引き継ぎに工数がかかっていた。また、時間がない中の引き継ぎでは必要な顧客情報を十分に引き継げないという問題が頻発していた。全社に「顧客は会社の財産」と発信し、「お客様を引き継いだときにこれまでの対応履歴が無くて困っていますよね。履歴を残すのは大事ですね。」と伝えていたものの、その考えはなかなか根付かなかった。

また、商談進捗状況や売上情報の集計作業にも手間がかかっていた。顧客情報は営業担当者のパソコンのみに保存されている状態で、月次の集計にはExcelを利用していた。集計の時期になると、それぞれの担当者が社内のサーバーに保管されている集計用のExcelファイルを一斉に更新する。複数人が同時にファイルを開くと入力ができなかったり、ファイルデータが壊れたりと、単純な集計作業に手間がかかっていた。

すでにiPadの導入が進んでいた同社の営業部にとって、「インターネット環境とブラウザがあれば、どこからでも使える」サイボウズ Officeは課題解決にマッチしていた。そのため、同社は顧客数・営業所数・社員数の全てが急激に伸びている最中の2013年にサイボウズ Officeを導入した。

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林田氏は「サイボウズ Officeは全社に個々人の予定が公開できます。最初はスケジュールを全社公開することへの抵抗や、メールはOutlookを継続利用したいという強い意見が出るなど、新しいツールを使うことへの反対が多数ありました。ツールの使い方を自分から勉強して覚えよう、新しいものを取り入れる・受け入れるという雰囲気はありませんでした。」と当時を振り返る。

社内浸透の工夫1

利用の目的と操作方法を「マニュアル」で
分かりやすく届ける

同社で真っ先にサイボウズ Officeの利用を始めたのは営業部と営業所業務だった。仕事で必要な部分・範囲しか日常的に使わない社員もいるなど、全社的にITスキルは決して高くない中での導入だったので社内浸透には苦労した。

ITが得意でない社員にサイボウズ Officeを浸透させるため、林田氏は数々の工夫を行ってきた。その工夫は大きく3つに分けられる。1つ目は利用の目的と操作方法を「マニュアル」で分かりやすく届けることだ。林田氏はサイボウズ Officeの活用マニュアルをいくつも自作して全社に発信している。サイボウズ Officeを使うときに最初に読むマニュアルはグループウェアの基本用語解説から始まっており、ITが得意ではない人でもすぐに理解できるよう工夫されている。意識しているのは、サイボウズ Officeを活用することで「自社の業務の何が変わるのか」を分かりやすく説明することだ。

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林田氏が作成したマニュアル
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アイコンを親しみやすいものに変更している

最初のページは「グループウェアとは?」から始まっており、初めてITツールに触れる人にとって分かりやすい。サイボウズ Office機能の説明とその効能がセットで解説されていて「これは使うと便利そう!」と感じることができる。合わせて「楽しんで使う」ことにも気を配る。アプリのアイコンを遊び心のあるものに変更したり、カスタムアプリで作成した業務アプリ名を社内で理解されやすい呼び名に改名したりと細やかな工夫を重ねている。

社内浸透の工夫2

操作性を追求する

2つ目の社内浸透の工夫は操作性の追求だ。「カスタムアプリ」を作り込んで活用している同社だが、なるべく社員のITツールに対する苦手意識を払拭するよう、「誰でもかんたんに情報を入力できるアプリ」にする工夫を徹底している。

例えば、
・報告などの入力は「選択入力」でサクッと完了できるようにすること
・iPadからの利用が多いため、文字を入力する項目をなるべく減らし、選択肢を選ぶだけで入力ができる項目を増やすこと
・見るべきものだけを表示させて操作を迷わせないための「ビューの切り替え」機能の設定
・条件書式を設定し、重要な部分を見逃さないようにすること
などだ。

具体的には、営業報告の「今後の見通し」欄を「選択式」で入力できるように設定している。入力の手間が省けるだけでなく、上長が状況を把握しやすくなった。アプリには数多くのデータが入っているので全部が表示されると分かりにくくなるものだが、担当者の立場ごとに必要な情報だけを表示させる「ビューの切り替え」機能を設定してあるので、誤操作が起こりにくくなっている。

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「カスタムアプリ」を使って作成した商談進捗管理アプリ
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営業管理アプリ

営業管理アプリには、条件付き書式の設定をして、訪問すべきお客様のステータスが赤色で表示されるようになっている。訪問期限が近い案件ほど上部に表示されるように設定されているので、「訪問しなければ」と見るだけで感じることができる。

社内浸透の工夫3

全国の統一の運用ルールを作る

3つ目の社内浸透の工夫は、サイボウズ Officeについての「全社員統一運用ルール」を作ることだ。拠点間で運用ルールがバラバラだと異動のたびに新しい拠点のやり方を覚えないといけないので効率が悪い。これを回避するために、同社ではサイボウズ Officeにおける営業所ごとの独自ルールを禁止した。

本部としても、ルールが均一なことによってサイボウズ Officeの各種設定を一括で管理できるため、両者にとってメリットがある施策となった。今では、「上司同行を依頼するにあたり、上司のカレンダーが空いていたら予定を入れても良い」といったルールもある。「この日に打ち合わせを入れてもいいですか?」と上司にお伺いをたてることなく、スケジュールを入れることができるため、日程調整のやりとりを最小限にし、業務がスムーズに進められると社員の間でも好評だ。

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「全国統一の運用ルールを作ることで拠点と異動が多い中で、異動日から同じように仕事ができるようになった。」と林田氏

導入効果1

営業活動が蓄積され、会社の財産に

「数々の工夫を実行しているうちに、最初は導入に後ろ向きだった社内の雰囲気が変わり始め、ついには営業所からサイボウズ Officeの改善案やアプリの要望が届くようになりました。とても嬉しい変化です。」と林田氏は語る。

営業所から届いた要望の1つに「予定メニューの追加」の工夫がある。「予定メニュー」とは、「スケジュール」の機能のひとつで、会議・訪問・ミーティングなど、予定の内容ごとに色をつけることができる。社では営業所からの要望をもとに、「現場調査」「不在」「商談」などの営業活動の状況を示す予定メニューを加えた。そのため、営業担当者のスケジュールを見ると営業行動から商談結果までを1ヶ月まとめてビジュアルで確認できるようになった。また、「報告書」を活用した営業日報は、「スケジュール」や「アドレス帳」と紐付いているため、上司は部下の行動や商談結果が細かく把握できるようになり、指導がとてもしやすくなった。

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予定メニューを選択すると「不在」などの状況が「アドレス帳」ともひも付き、顧客履歴としてもストックされる。この工夫によって、課題となっていた「営業情報の属人化」が解決された。

導入効果2

全社的に時間の使い方が変化

さらに、同社は社員の時間の使い方の変化についても効果を実感している。例えば営業マンは訪問や出張のスキマ時間にメールチェックや図面確認などができるようになった。以前は帰社してからメールチェックをする姿が見受けられたが、今はそれほど時間を要しない。

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「以前は、夜に至急の資料作成を依頼してくる社員もいたので、朝にメールチェックをして仕事の段取りを決めていました。今はスキマ時間の活用が浸透したおかげで営業マンが早くに帰宅する雰囲気に変わっており、私も翌日の段取りを帰宅前に決めることができるようになりました。」と、林田氏は語る。

最後に林田氏にサイボウズ Office浸透のコツを伺うと面白い答えが返ってきた。

例えば「メールで物件資料をやり取りすると送受信に時間がかかったり、パソコンの動きが重たくなったりしていたが、サイボウズ Officeを使えばサクサクやりとりできる」と喜ばれたら「サイボウズ Officeを使っていてよかったね」ということを林田氏は意識して伝えているという。これで「導入してよかった!」と思ってもらえるからであり、その積み重ねが「もっと活用しよう」という社内の意欲を高め、大きな変化を生むためだ。

「ここまで浸透できたのは誰にとっても本当に操作しやすいツールだからだと思います。難しかったら続きません。簡単に始められてExcelのようにデータが簡単に壊れないこと。使ってもらいたいところ、見てもらいたいところを管理者がクローズアップして表示できるところは本当にありがたいです。自社に合わせて工夫できるサイボウズ Officeは私にとって楽しいツールです。」と林田氏は満面の笑顔を見せてくれた。今後の林田氏のサイボウズ Office活用術も見逃せない。

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「サイボウズ Officeは楽しい!」と林田氏

経営者・営業所・施工担当者のことを親身に考えて工夫を施しているお話をうかがい、業務改善という役職があったら同氏の天職なのだろうと感じたインタビューだった。

気になる機能をさっそく
試してみませんか?

「サイボウズ Office」 導入事例

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