Case Study 八木会計事務所
28人の会計事務所で顧客数は1,100件超。
大量の申告業務を効率化する
カスタムアプリ活用法
- 業種
- 士業
- 利用規模
- 6人~50人
- よく使う機能
- カスタムアプリ・掲示板・電話メモ
- 掲載日
- 2018.07.05
埼玉県さいたま市で会計・税務に関する業務を行っている八木会計事務所では、早くからIT活用に着目し、事務所内の情報の共有化を進めてきました。 さいたま市内の顧客が90%以上を占め、顧客数は法人、個人併せて1,100件超。その他毎年約60件の相続税申告を受託しています。年末や確定申告時期には、1,000件を超える電子申告が集中するケースもあるそうで、多くの顧客の申告状況をリアルタイムで管理、確認するためには、「サイボウズ Office」のカスタムアプリが欠かせないといいます。そんな会計事務所ならではの活用法をうかがいました。
-
もうメールには戻れない。宛先指定や閲覧確認で抜け漏れの心配がないメッセージ機能は日常業務に不可欠
-
カスタマイズができて、スタッフ全員が操作できる顧客管理システムを探して行き着いたのはカスタムアプリ
-
カスタムアプリで20年前の申告データも瞬時に検索。業務効率化のポイントを分析し、事務所内で共有
INDEX
導入背景
ホワイトボードの予定共有で
ダブルブッキングが発生
八木会計事務所が「サイボウズ Office」を導入したのは2000年。オフィスのフロアが2階と3階に分かれているため、それぞれのフロアにホワイトボードを設置し、手書きでスケジュールを書き込んでいたところ、片方のホワイトボードにしかスケジュールが反映されていないなどの理由で、ダブルブッキングが発生することがあった。
「まずはスケジュール共有を徹底したい」ということで導入したのが「サイボウズ Office」。当時は事務所内にサーバーを立ててのオンプレミスでの運用であったため、外出先からもスケジュール確認ができるように「サイボウズ リモートサービス」も合わせて活用していた。
同事務所所長の八木茂氏は、こう振り返る。
「当時はまだスマホなどない時代でしたので、ガラケーで事務所に電話して『いついつの予定はどうなっている?』とスケジュールを確認していました。業務で外出することが多いので、外からスケジュールを確認できるのは非常に便利。現在は、クラウドで外から確認できるのは当たり前ですが、導入当時、他の会計事務所ではほとんどやっていない取り組みでした。」
利用方法1
メッセージと電話メモを活用。
今ではメールで連絡されても困る
「サイボウズ Office」でよく活用する機能について八木氏は
「メッセージ機能は事務所内の日常業務に欠かせません。途中から担当に入ったスタッフでも過去の経緯をさかのぼることができますし、宛先を指定して通知する機能もあり、やり取りが埋もれてしまうことがないので本当に助かっています。閲覧チェックの設定をしているので、返信がなくてもどのスタッフが読んでいるか確認できます。今となってはメールで連絡されても困っちゃいます。」
と語る。また、外出が多いため電話メモも多用している。
「スマートフォンに届いたメールから電話番号をタップするだけで折り返しの電話をかけられるのがとても便利ですね。電話がすぐにつながらない時でも、担当している顧客への税務調査など、重要な連絡をすぐに送れる手段として活用しています。」(八木氏)
最近は掲示板機能の活用が進んでいるという。
「実は掲示板の良さに気づいたのはつい最近のことです。毎年事務所で、インフルエンザの予防接種をすすめるのですが、11月になったら掲示板に、インフルエンザ予防接種の情報がいつの間にか表示されていて…。その掲示板にはいつまでに申し込んで、どう行うか、病院の名前まで書いてあるのです。調べてみたら、退職した社員が11月になったら表示されるよう掲示期間を設定してくれていたんですね。その時、退職社員の思いやりに感謝しました。その後、予防接種の時期が終わり、自動で掲示板の告知が消えて整理されたのを見た時は、2度目の驚きと感謝でした。」(八木氏)
「会計事務所では、一年の中で決まった期間に決まった業務を行い、それを毎年繰り返すので、掲示期間を設定して表示できるこの機能は非常に便利だということに気づきました。」(八木氏)
利用方法2
顧客管理システムを探して出会った「デヂエ」、
そしてカスタムアプリへ
八木会計事務所で重要課題は、顧客管理のシステム構築だった。そこで最初に導入したのは「Microsoft Access」。
「機能はよかったし、たくさんの使い方があったが、操作が難しいところが課題でした。セミナーにスタッフ数人で参加したけれど、事務所全体でスキルを共有できず、使えるスタッフが限られてしまうという属人化が起こっていました。」(八木氏)
次に会計事務所向けパッケージソフトを導入したが、「項目を事務所独自の業務フローに合わせて変更・調整したい」と思ってもカスタマイズができず、不便を感じていた。そんな時、「サイボウズ Office」の操作方法などを問い合わせていたサイボウズのサポートに「なにか顧客管理によいツールはないか」と相談したところ「サイボウズ デヂエ」を提案された。
「『サイボウズ デヂエ』は、とにかくデータベースを簡単に作れるのがよかったです。『Excel』をそのままアプリにしたイメージでした。会計事務所向けのパッケージ製品ではできなかった項目のカスタマイズや、運用していく中で『もっとこうしたら使いやすくなる』といった改修も簡単に自分たちでできました。」(八木氏)
その後、八木会計事務所では2012年にクラウド版の「サイボウズ Office」に移行。
「クラウド版へ移行して、サーバー管理が不要になり、とても楽になりました。」(山崎良明氏)
さらに「サイボウズ Office」にカスタムアプリ機能が搭載されたため、「サイボウズ デヂエ」からカスタムアプリへと移行を進めています。
利用方法3
大量の申告業務の進捗管理には
カスタムアプリが欠かせない
これまで八木会計事務所で作成されたカスタムアプリは、200以上という数に上る。アプリはスタッフが作成し、使い勝手の良くするための改修は、代表税理士の八木氏自身が外出先でのちょっとした空き時間に行っている。八木氏は、「簡単に作成できるからアプリを作り過ぎちゃうのが欠点」というが、年間通じて使うアプリと1年のうち使う時期が限られているアプリでフォルダを分類している。
「顧客数は現在1,100件以上で件数がとにかく多いです。法人は決算期がそれぞれ異なるので、業務の時期も分散するのに対し、個人はすべて同じ時期に申告しなければなりません。そのため毎年確定申告の時期に業務が集中します。」(八木氏)
そこで、確定申告に関する業務については、カスタムアプリで資料回収から申告書作成・申告・資料戻しまでの業務の流れをステータス管理している。12~1月は資料回収~申告書作成、2~3月は申告書作成~申告~資料戻しとそれぞれのステータスごとに入力する項目をまとめた一覧ビューを作成し、ダイレクト表示で簡単に切り替えられるようにして業務がスムーズに進むようにアプリを設計している。
利用方法4
20年前の申告データも
カスタムアプリで瞬時に検索
八木会計事務所では、過去約30年間の法人税、所得税、相続税等の申告書をすべて画像データとして電子化し、フォルダ分類して文書管理専用のサーバーに保存している。データが膨大な数にのぼるため、顧客情報と受託内容をまとめたカスタムアプリにデータの保存先も記載し、カスタムアプリで検索できるようにしている。
例えば、顧客から「20年前に相続でお世話になったのですが…」との電話があった場合、電話を受けたスタッフがカスタムアプリで該当する相続がいつ対応したどの申告なのかを検索すると、瞬時に過去の相続税申告書、謄本等の画像データを確認することができる。スタッフの誰もが顧客をお待たせすることなく、スムーズに対応できる体制が整っている。
導入効果
カスタムアプリで業務を分析し、
効率化のポイントを事務所内で共有
八木会計事務所のカスタムアプリ活用は進捗管理だけにとどまらない。
「どのように業務を行えば効率的か分析も行っています。」(八木氏)。
カスタムアプリで分析すると、業務完了が早いスタッフは、申告書作成に着手する前の資料の回収が早いという傾向が見えてきた。そこでカスタムアプリ上で、確定申告に必要な資料の回収状況を郵送や来所、担当による訪問など回収方法ごとに集計して事務所内で共有するようにした。これを見ると他のスタッフも顧客からの資料回収を早めに行おうと根回しをする…といった形で業務効率化につながっている。
「こういった業務改善のポイントが見つかった時、項目を追加したり、簡単に集計して表示したいと思っても、会計事務所向けのパッケージ商品ではできません。だから我々の事務所が大量の確定申告業務の進捗管理を行えるのはカスタムアプリのおかげといっても過言ではないんです。」(八木氏)
カスタムアプリを活用した八木会計事務所の業務効率化はこれからも続く。
この企業でよく使う
機能はこちら!