Case Study 株式会社丸菱製作所
「投資に見合うのか?」と社長は反対
サイボウズ Officeが
事業拡大に欠かせないツールになるまで
- 業種
- 製造業
- 利用規模
- 6人~50人
- よく使う機能
- スケジュール・モバイル・報告書・掲示板
- 掲載日
- 2025.01.29
愛知県春日井市で金属製品の一貫生産などを行う丸菱製作所。同社は、社内の情報共有やコミュニケーションを円滑にするため、2022年からサイボウズ Officeを導入した。ちょうどこの時期に行った会社の事業拡大を後押しするツールとなり、導入前は「投資に見合うのだろうか」と否定的だった社長も、今ではなくてはならないものだと感じているとのこと。代表取締役社長の戸松裕登氏と、社長室室長 兼 管理部部長の堀田裕司氏に伺った。
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最初は導入に反対していた社長も「会社の変革に必要なツール」考え直した
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会議など予定調整がかんたんになり、スピード感が大幅にアップ
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経営方針を共有できる場が作られたことで、社員がより一丸に
INDEX
導入背景
反対する社長に
「とりあえず試用期間で使ってみましょう」と提案
――まずは丸菱製作所について教えてください。
(戸松氏)
1952年に設立した会社で、大型構造物の一貫生産を主な事業としています。長い間、三菱電機のエレベーター部品が当社の売り上げのほとんどを占めていましたが、近年はより強い経営体制にするため、三菱電機様以外のプラント関係や大型設備関係の大型加工製品といった新しい分野への取り組み強化、またクルーザーに取り付ける製品を展開するマリン事業や、ものづくりの技術力を出品できる製造業のフリマサイト「ASNARO」の事業など、新領域にも積極的に取り組んでいます。社員数は110名ほどとなっていますね。

――どのような課題から2022年にサイボウズ Officeの導入を考えたのでしょうか。
(堀田氏)
それまで無料のチャットツールを社内で使っていましたが、過去のメッセージをテーマやカテゴリごとに管理するような機能がなく、必要な情報をさかのぼって見つけるのが大変だったんです。社員のスケジュール共有についても、事務所のホワイトボードに書くか各自の手帳の中。しばらく先の予定は各々でしか把握していない状況でした。社長のスケジュールを確認するために電話しないといけないことも多々ありましたね。

また、データ管理についてもバラバラの場所に保管されていて、どこにあるのかわからないことが多々ありました。無料のストレージサービスを利用していたのですが、すべての情報がそこに保管されているわけではなく、その都度さまざまな管理先へ探しに行く手間がありましたね。こうした課題を一括で解決できるグループウェアが必要だと思ったのです。
――その中でもサイボウズ Officeを選んだ理由をお聞かせください。
(堀田氏)
弊社はいわゆる町工場。平均年齢は40代中盤で、個々のITスキルは決して高くないですし、新しいものに抵抗を感じやすいです。その点、サイボウズ Officeは操作がわかりやすいので良いと思いました。スマホを使える人なら十分に扱えるツールだと思っていますから。
実は、前職でもサイボウズ Officeが導入されており、年配の社員も問題なく使いこなしていました。それ以前には別のグループウェアを使ったこともありますが、使いやすさはサイボウズ Officeが上でしたね。それで、この会社でも導入しようと。
当初、社長は反対していたのですが、「いったん無料の試用期間でやってみましょう」と、なかば強引に説得したんです(笑)。
――どうして戸松社長は反対されていたのでしょうか。
(戸松氏)
お金をかけてまで導入する必要があるのか、というのが率直な思いでした。グループウェアにはさまざまな機能がついていますが、それらをすべて使い切れている企業は決して多くない印象だったのです。であれば今まで通り、ストレージサービスやチャットツールなど、欲しい機能だけ単体で取り入れる方が資金効率も良いのではと。

代表取締役社長 戸松氏
とはいえ、この頃は会社の事業拡大を本格化し始めた時期であり、社内の打ち合わせや業務が増えていくことが予想できていました。その影響もあって、試用期間などを通じて「これから先の変革を進めるために必要な機能が備わっているのかもしれない」と考えるようになりました。そうして正式導入しましたね。この決断は間違っていなかったと思います。
利用方法1
「スケジュール」の活用で、
重要設備の稼働予定もわかるように
――具体的なサイボウズ Officeの利用方法について教えてください。
(堀田氏)
いろいろな機能を使っていますが、まずは「スケジュール」ですね。
社員の予定を離れた場所からでも確認できるので、会議などの日程調整もしやすくなりました。パッと見て分かりやすいよう、外出や会議、来客など、予定の内容に合わせて色分けをしています。

実際の「スケジュール」の画面。色分けすることで、ひと目で予定が分かりやすいよう工夫されている
(戸松氏)
予定の公開範囲を選べるのも便利ですね。非公開で行いたい打ち合わせなどもありますから。
(堀田氏)
他にも、主要な設備の稼働スケジュールもここで管理しています。たとえば、3Dレーザー加工機をいつ、〇〇のために使用するといった予定を登録していますね。3Dレーザー加工機は、当社製品のほとんどで使うため、各部門が常に予定を確認したいので、いつでもどこからでも見られるのは便利になったと感じます。

個人の予定だけではなく、設備や施設の予定も管理できる
(戸松氏)
加工現場で働く60歳以上のメンバーもタブレットを使って機械のスケジュールを確認していますよ。当社の手がける製品が増えている今、各部門がより連携して製造スケジュールを立てる必要があるので、これは効果を感じています

――「施設予約」はどのような使い方をされていますか。
(堀田氏)
会社のトラックや社用車の予定管理に使っています。以前はホワイトボードで管理していたので、1週間以上先の予定は書き込めなかったり、共有漏れがあったりしたので、ずいぶん便利になりました。

そのほか、プロジェクターやカメラといった備品の管理にも活用していますね。以前は借りっぱなしですぐに返却しない人がいたので、きちんと返す習慣を作る狙いもありました。
利用方法2
“言った言わない”を無くす備忘録として活用。
雛形があるからとっつきやすかった
――他にもよく使われている機能はありますか。
(堀田氏)
「掲示板」ですね。その日の来客情報や工場見学のお知らせなど、全社で共有する情報を載せているほか、部門長会議の内容もここにまとめています。確認したら押せるリアクションは、初期設定だと「いいね!」なのですが、弊社では「確認しました」に変更して使っています。

実際の「掲示板」の画面
実は、サイボウズ Officeを導入して最初に使い始めたのが「掲示板」でした。もともと当社では、部門長会議の内容を従来使っていたチャットツールに記録していました。しかし先ほど話したように、過去の情報を検索しにくかったので、これらの記録をサイボウズ Officeの「掲示板」に移行していったんです。

実際にこちらの方が使いやすかったので、社内の抵抗もなく、自然と移行が進みました。「掲示板」を使った社員がサイボウズ Officeを便利だと感じたことで、他の機能もどんどん利用するようになっていったのかもしれません。
(戸松氏)
「報告書」も、会議の議事録として使っていることが多いですね。
当社は今まで議事録をつける習慣がなく、“言った言わない”になることがありました。かといって議事録の社内フォーマットをゼロから作るのは大変で、手がつけられていなかったのです。しかし「報告書」にはすでに雛形が用意されていて、各項目に入力するだけ。これはとても助かりました。

「報告書」の画面
社内浸透
導入前、部門長や課長に行った
「根回し」が成功の秘訣に
――試用期間を経て導入に至ったとのことでしたが、社内で浸透させるために行ったことはありますか。
(堀田氏)
試用期間がスタートする時に、部門長や課長のもとへ個別に行ったほか、部門長が集まる会議などで「ぜひ使ってみてください」と直接伝えたんです。
今までのチャットツールは過去の情報をさかのぼるのが大変で使いにくかったけど、サイボウズ Officeならトピックごとにまとめられて便利になるよ、言った言わない問題もなくせるよと説明して。そんな“根回し”もあって、試用期間内で利便性を感じてもらい、正式導入に結びついたのかなと思います。
(戸松氏)
以前は私がツールの管理を行っていたので、何か導入するとなると負担になることも懸念点だったのですが、初期設定や軌道に乗るまでの管理を堀田がほぼ一人で担当してくれました。管理面を一任できたことも導入を決める上で大きかったです。
(堀田氏)
サイボウズ Officeは管理者側の操作も難しくないので、それほど専門的な知識がなくてもできますからね。
――堀田様の熱意を感じますね。導入にあたって、どのような想いがあったのでしょうか。

(堀田氏)
大きな規模の会社だと、システム管理や総務など、それぞれに専任者がいることがほとんどですが、中小企業はそうはいきません。人手不足もより深刻なので、一人がいくつもの業務を掛け持ちしているところが多い。しかし、「うちは中小企業で規模も大きくないから、ITツールを入れるにはまだ早い」という声をよく聞きます。
私は、そんな会社こそツールを入れて業務を効率化し、社員の負担を減らしていった方が良いと思って、導入を推し進めました。前職での利用経験もあったので、導入したら課題が解決するという自信がありました。
導入効果
サイボウズ Officeがあるから
「新しい事業」を回せている
――サイボウズ Officeの導入によりどのような効果を感じていますか。
(戸松氏)
反対したこともありましたが、今は率直に入れて良かったと思います。導入時に考えた通り、私たちが事業拡大に挑戦する上で欠かせないツールになっていると感じていますね。
新しい製品を作ったり、新規の顧客と取引したりしようとすると、急な商談や打ち合わせ、社内での会議が多くなります。その中で「スケジュール」によりみんながスピーディに予定を入れられますし、会議の内容やプロジェクトの進捗も細かく共有・管理できています。

以前は会議をしたいと思っても、メンバーのスケジュールを確認するだけで時間がかかっていましたし、対応が遅れてしまうこともありました。今は何かをやろうとした時のスピード感が違います。各自の予定がわかるので「この日会議できる?」と声をかけやすい。だからこそ、新しい事業を回したり、複数の事業を掛け持ちできたりしているのだと思います。
(堀田氏)
大きな効果は、会社としての「共通認識の器」ができたことだと思います。何かの情報を探したり共有したり、あるいは社員とやり取りする時は、「サイボウズ Officeに入れといたでね」という合言葉みたいなものができました。

その影響もあり、経営層と社員がより一丸になってきたと思います。企業ですから、社長の考えていることに対して違う意見を持つ社員もいるでしょう。ただその割合が減ってきたと感じますし、それにはサイボウズ Officeも貢献していると思います。経営方針や社長の考えがこのツールの中できちんと共有されるので、社員が経営層の意図を理解しやすくなり、全員が同じ方向を向いて進むことができるようになったのではないでしょうか。
――実際に使ってみて、どういった企業に導入をお勧めしたいですか。
(堀田氏)
うちのように年配の社員が多く、どこかでITシステムの導入をあきらめている中小企業ではないでしょうか。先ほど述べた通り、人手が足りない企業こそこういうツールで仕事を効率化していかなければなりません。サイボウズ Officeはとにかくかんたんに操作できますから。ハードルは決して高くないですとお伝えしたいです。
(戸松氏)
社長のスケジュールがわからない!という企業でしょうか(笑)今では社員が私の予定を見て、会議をどんどん入れてくれるようになりましたし、それで実際コミュニケーションが上手く取れるようになったと思っています。
今後の展望
人の技術を大切にするために
サイボウズ Officeなどのツールを
うまく使っていきたい
――最後に会社としての展望を教えてください。

(戸松氏)
私たちが目指すのは、人の技術を大切にする会社です。AIなどによる無人化や省力化も進んでおり、それが価値になるケースもあります。そんな中でも、今まで培ってきた人の技術を事業の中心に据え、そこから生まれる価値を提供していきたいと思っています。製造業のフリマサイト「ASNARO」も、そういう考えのもとに生まれました。
あくまで人の技術を大切にする会社として成長していきたいですし、その実現のためにサイボウズ Officeのようなツールをうまく活用していければと思います。
――貴重なお話をありがとうございました。今後の更なる活用を楽しみにしています。
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