Case Study 堀下社会保険労務士事務所
「急な用事で休んでも嫌な顔をする人は誰もいません…多様な働き方を実現する基盤づくりで働く女性をバックアップ」
- 業種
- 士業
- 利用規模
- 6人~50人
- よく使う機能
- スケジュール・掲示板・電話メモ
- 掲載日
- 2017.06.21
沖縄の企業を中心に労務管理や人事コンサルティング、助成金手続きなどに対する業務支援を行っている堀下社会保険労務士事務所。地域の産業振興に人事労務を通して貢献することをミッションに、沖縄のリーディングカンパニーをはじめ、それぞれの顧問先が抱える人事労務問題への解決に尽力している。また、優秀な女性の活躍を支援するべく「働く女性応援宣言!!」を宣誓し、職場の環境改善に力を注いでいる。
多くの女性にとって働きやすい環境を作るべく、積極的にIT化を推進している同事務所で活用されているのが、「サイボウズ Office」を中心に、「メールワイズ」や「kintone」などサイボウズが提供する各種ソリューションだ。今回は、サイボウズのソリューション導入を決断した背景とともに、現状の運用や得られた効果などについて、同事務所の代表であり特定社会保険労務士の堀下 和紀氏に話を伺った。
INDEX
導入前の課題
社員に定着してもらうためにIT化による
業務効率化が欠かせなかった
●システムを導入するに至った経緯について教えてください。
一般企業を経て2005年に事務所を設立したのですが、事業規模が小さいころから多忙を極めており、少人数ながらも多くのスタッフがモチベーションを持って働いてくれていました。それでも、徹夜などが続き忙しさの中で体調を崩して退職してしまう方も。そこで、業務改善をして事務所に定着してもらえるような環境を整えようと決めたのです。その1つが安心して働いてもらえるよう「働く女性応援宣言!!」を掲げ、多様な働き方を認めたうえで、先行投資としてパートなど多くの女性を採用することでした。そしてもう1つが、IT化を推進することで業務効率化を実現することだったのです。そこで業務基盤となる仕組みを検討することになりました。
●サイボウズを知ったきっかけは?
前職でとあるグループウェアを使っていたのですが、そのころからサイボウズもグループウェアを提供していることは知っていました。その後起業した際には、自身の手帳でスケジュール管理を行っていたのですが、出張などの際にはスケジュール帳をFAXで送り、電話で調整するなど、とても手間がかかっていたのです。一時期はGoogleのカレンダー機能などを使ってスケジュール管理を行っていたのですが、スタッフみんなで共有できる、しっかりとした基盤を導入すべきだと考えたのです。
選定理由
使い勝手はもちろん、掲示板機能で
指示した内容の徹底が図れる
●具体的にはどんな製品を検討したのでしょうか。
当然ですが、Googleのスケジュールを利用していた経緯から、Google Apps for Business(現在のG Suite)をまずは検討しましたが、サイボウズ Officeがいいと思ったのは、スタッフ全員に対して情報通達が可能な掲示板機能が備わっていたことです。メンバーに周知徹底させたい情報を朝礼で伝えても、1人2人は欠席してしまい全員に伝えられないことも。メモを残してアナログで回覧しても、結局どこかで停滞してしまい、伝えたいことが伝わらないといったこともありました。スケジュールの共有はもちろん、情報がきちんと回覧できる、周知徹底できる仕組みがとても魅力的でした。
●情報共有という意味で、スケジュールだけでなく指示がしっかり伝えられる環境が必要だったのですね。
おっしゃる通りです。あとは、使い勝手という視点も重要でした。サイボウズはグループウェアとしての歴史があり、中小零細企業も含めて多くのユーザーがいることもよく知っています。そのユーザーに合わせて機能が適宜アップデートされていくクラウドサービスのため、使い勝手的にどんどん良くなると考えました。確かにGoogleであってもできることは多いですが、どうもすっきりしていないという印象です。「日時」「予定」「メモ」「参加者」「施設」など日本的なワーディングで運用できることも、サイボウズがしっくりくる理由の1つです。
●現場の方にとって使いやすいものが求められたと。?
当然使う人のリテラシには差が出てくるため、できるだけ直感的にわかる仕組みが必要です。色使いも含めて、わかりやすい、現場に負担のかからない仕組みが欲しかった。サイボウズ Officeならそれが実現できると考えたのです。案の定、導入後はすぐにスタッフも使いこなせています。
●今回はクラウドサービスをご利用いただいていますが、その点についてはいかがでしょうか。
社内に環境を設置せずに利用できるクラウドサービスであることは重要なポイントです。実は2016年冬頃にはすべての業務環境をクラウドに移行しています。コストパフォーマンスももちろんですが、セキュリティについても自分たちで実装するよりもはるかに効率がいい。自前の環境だとサーバーが壊れるリスクがありますが、バックアップによるデータ保全の面でもクラウドのほうが優れています。かなり早い段階からクラウドがしばらく主流になるだろうと確信していました。だからこそ、徹底してクラウド環境にこだわるべきだと考えたのです。
利用方法
予定メニューを使い分けることで
スケジュールの共有、可視化を実現
●具体的にはどのようにお使いいただいていますか。
私も含めてスタッフ全員でスケジュールを共有し、空いていれば周囲の人が予定を入れてもいいというルールで運用しています。私のスケジュールは半分以上スタッフが入れているのが実態です。予定を入れる際には、その内容がひと目でわかるよう色分けされた“予定メニュー”が事前に設定されており、「新規来社」「訪問」「社内MT」「Skype会議」「出張」「採用面接」「TEL」「テスト」「休み」といった形のものを用意しています。
●スケジュール以外で使っている機能について教えてください。
主なものとしては、情報の周知徹底を行う掲示板機能や電話メモの機能ですね。掲示板機能についてはアプリケーション名を「回覧」に変更して利用し、そこで情報伝達されたものは公式の発言としてとらえてもらうようにしています。また情報が必要な場合は掲示板に書き込み、いつまでに回答するように指示しておくと、スタッフがそこにアイデアを書き込んでくれます。具体的にどう書くのか例示しながら発言することが大切で、掲示板の中ではブレストのような形でアイデアが蓄積されていきます。
電話メモについては、これまでポストイットなどの手書きで行われていたものをシステム化することで、社外にいても情報確認できるようになり、もれなく電話の履歴を伝えることができるようになっています。
●他にもありますか。
ToDoリストもスタッフによっては使っていますね。今はスケジュールの予定としてToDoが予定メニューとして設定されていますが、スケジュールが過ぎるとメイン画面から消えてしまいます。だからこそ、期限関係なくやるべきことを残したい場合はToDo機能を利用しているのです。また、会議室を増やしたことで施設予約機能もよく利用するようになりました。会議室が3か所あっても、30名ほどいると会議室が取り合いになることも。ダブルブッキングを防ぐためにも、施設予約機能を活用しています。他にも、社内あてのメッセージ機能も利用することがあります。
導入効果
日程調整業務の軽減、予定メニューをもとに
段取りよく動くことができる
●得られている効果にはどんなものがありますか。
労働環境改善という意味では、スケジュールが全員で共有できるようになったことで日程調整にかかる時間が削減できただけでなく、チームメンバー同士のスケジュール調整も容易になりました。また、予定メニューを上手に使い分けることで、段取りも組みやすくなっています。例えば新たな顧客が来社する際に使う「新規来社」が予定メニューとして設定されていれば、会社案内を渡す可能性が高くなるため、スタッフが事前に準備しておくといったことが自然にできるようになりました。「来社」であれば、お茶だけ用意すればいいという段取りが予定から判断できるようになっています。設定した予定も自分たちで色分けして使えるため、直感的にスケジュールが把握できます。大事な部分ですし、満足度が高いところです。
●自分たちの使いやすいように文言を設定することで、段取りよく行動できるようになっている点は大きいですね。
予定メニューの設定だけでなく、自分たちである程度ルール化して運用することで、全員のスケジュール調整に負担がかからなくなりました。「訪問」の予定を入れる場合は、前後1時間は別の予定を入れないとか、予定は2時間を越えずに入れるといったルールです。
●現場の方からのご意見はいかがでしょうか。
(宮城 絵梨 氏)私が一番使っているのは、電話メモですね。外出先からでもスマホでメモが確認できるため、私が休んでいるときも誰から電話が来たのか一目瞭然です。顧問先に伺ったさいにも、次の打ち合わせ日程を他の人のスケジュールを確認しながらその場で調整できます。掲示板やメッセージも業務中にゆっくり見れない場合は、家からしっかり見直すことも。顧客対応が早くなるだけでなく、情報を見逃すことがなくなっています。当然ですが、周囲のスケジュールがわかるため、顧問先から電話があった場合でも担当者の予定がしっかり相手に伝えられる点も便利です。
(新城 真希氏)給与計算の時期以外はオフィスを不在にすることも多くなりますので、スケジュールや電話メモが外から確認できるのはありがたいです。自分と同じ顧問先を担当する人の予定はこまめに見ていますし、何か聞きたいことがあれば、予定を見ながら空いている時間にミーティングをセッティングすることも。相談するタイミングがきちんと把握できるので、調整に手間がかかりません。こういった仕組みがあることで、私はもちろんですが、お子さんがいらっしゃる方はとても働きやすいと感じているはずです。いつでも休めますし、誰が休んでも嫌な顔をする人は誰もいません。最近では在宅勤務も取り入れられていますが、こういったITの基盤があるからこそです。
今後の展望
サイボウズのソリューションをフル活用して
業務改善をさらに進める
●今後についてはいかがでしょうか。
現状は、スケジュールにサイボウズ Officeを、メールによる顧客対応にはメールワイズを導入しており、これから顧客管理などの基盤としてkintoneを活用していく予定です。サイボウズの仕組みをフル活用して、自分たちで日々改善していくだけでなく、多くのユーザー事例から自分たちに取り入れることができるものはどんどん活用していきたいと考えています。 <「メールワイズ」導入事例はこちら>
●kintoneについてはどんな使い方をイメージされているのでしょうか。
基本的には2つあります。1つは、担当者情報を含めた顧客情報を中心に、メールワイズでの対応履歴や電話、訪問などそれぞれの対応履歴を一元的に把握できる顧客管理の基盤として活用したいと考えています。また、顧問先で働いている方の手続き履歴や助成金のステータス管理なども顧客管理に紐づけていくことで、顧問先に対してどんなことを日々行っているのか、レポートを出していけるようなものも考えています。さらに活用が進めば、顧問先ごとの工数をきちんと把握し、顧問先に提示できるような形にしていきたいですね。
もう1つは、健康状態や家族構成、キャリア、面談履歴、目標、査定履歴など、事務所で働いているスタッフの情報がきちんと把握できるような人事管理の基盤としての活用です。多様な働き方を認めていることもあり、お子さんが何人いて、幼稚園に通っているといった情報をしっかりと理解したうえで指導していかないと、無茶な要求をしてしまうことも。きちんとスタッフの置かれている状況に配慮していくことで、働きやすい職場をさらに加速させていくことができるのです。
●kintoneも含めてみると、かなり大掛かりな構想ですね。
顧客管理や人事管理は従来Excelで行ってきた部分ですが、今後はkintoneを含めたサイボウズのソリューションで構築していきたいと考えています。開催したセミナーから見込み顧客管理などを行っていくということもやっていくべきでしょうし、これらをうまく連携させることで顧客マネジメントとしてのCRM基盤のようなものにkintoneを育てていきたいと考えています。最終的には、顧問先内の人間関係も含めてしっかり管理していくことで、お客様にとってのカルテが作成でき、我々が“かかりつけ医”のような立場として顧問先を支援していけるようになっていきたいですね。
●貴重なお話、ありがとうございました。
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