Case Study 立命館大学 学友会
予算の限られた学生団体で有償サービスを
選んだ理由とは?
- 業種
- その他
- 利用規模
- 51人~100人
- よく使う機能
- スケジュール・ファイル管理
- 掲載日
- 2015.11.11
学友会とは、大学での講義や研究といった学びや、サークル・部活といった課外活動の発展・向上を目指し、立命館大学に在籍する学生全員で構成されている学生の自治組織です。 新歓祭典や学園祭といった大きな企画の立案・実行を学生自身の手で行ったり、学生の大学での学習・生活環境の向上のために学生の意見を集約し、実現させるために大学と交渉する自治活動を行っています。
学生自身による組織運営を円滑に進めるために、同団体では「サイボウズ Office」、「kintone」、「メールワイズ」の3つのサイボウズ製品を活用している。
学生団体という予算の限られた組織の中で、有償ソフトを選択した理由はどのようなものなのか?同会の中央事務局 調査企画部部長の水野貴史氏に、「サイボウズ Office」を始めとした情報共有ツール導入の背景を聞いた。
INDEX
導入背景
申請書の原本を7部コピーする運用の限界
――立命館大学学友会とはどのような団体ですか?
「学友会というのは、簡単に言ってしまえば高校における生徒会にあたる組織です。各学部の自治会代表や体育会、公認サークルの代表者が集まった組織です。学友会の最高意思決定機関としては中央委員会があり、ここでの決定事項を実質化していく、いわば事務方にあたるのが私の所属する中央事務局です。」
全学生が属している学友会だけに学生団体としての規模は大きく、従来の衣笠キャンパス、滋賀県の「びわこ・くさつキャンパス」(BKC)、朱雀キャンパスに加え、2015年4月には「大阪いばらきキャンパス」 (OIC) が新設された。各キャンパスの代表者どうし、物理的に遠く分散してしまった事が、同会における情報共有のIT化を促進させるきっかけになったという。
――最初にクラウド化したデータは何ですか?
「情報共有のIT化で最初に手をつけたのは、サークルの申請書管理でした。従来は各団体によって記入された申請書を7部コピーし、各キャンパスにおける学友会の拠点に学内便で運ぶという運用でした。しかし、例えばサークル代表者の変更といった申請が発生しても、各キャンパスで共有するには物理的に時間がかかり、拠点によっては情報が漏れてしまうということもありました。これを何とかしたいと探しあてたのがkintoneでした。」(水野氏)
学友会のポータルサイト上から新規登録団体の受付や、各種変更申請などを行い、その登録情報を「kintone」でデータベース化することで、どのキャンパスからでも同一の情報を利用できるようにしたのが、情報共有化の第一弾であった。
「kintone」の活用により、他のサイボウズ製品の存在を知った水野氏は、他に抱えていた課題の解決のために「サイボウズ Office」と「メールワイズ」の導入も検討した。
利用方法1
学生ならではの"不定期な活動時間"
4つのキャンパスにまたがってスタッフが存在するだけでなく、各スタッフが学友会の活動に割くことのできる時間はまちまちである。そういった状況からスケジューリングの難しさが生じていた。
――スケジュール管理を必要とした背景とは?
「講義やサークル活動、アルバイトなどにより各スタッフの空き時間が異なります。一般企業のように勤務時間中は決まった場所にいるわけではないため、どうしても学友会の活動は不定期になりがちです。バラバラな空き時間の中から、会議などが行える時間帯を見つけ出さねばならず、そのための仕組みを必要としていました。
また、学友会の活動のために各部門で作成したファイルを共有したいという思いも強くありました。スタッフごとに個別で同じファイルを更新してしまい、版の管理ができないという課題があったためです。 スケジュール共有とファイル共有の2つの観点から選んだのが「サイボウズ Office」だったのです。」(水野氏)
同氏によると、現在、「サイボウズ Office」は100ユーザで活用しているが、当初は同氏が属する中央事務局だけでスタートさせた。しばらく活用してみたところ、従来の課題が解決できると判断し、学部の自治会代表など各拠点の代表クラスへと拡大したという。
――個別の連絡は「LINE」を利用しているとのことですが、「サイボウズ Office」との住み分けは?
「学友会は全学生が所属していますが、中央事務局のように情報を発信する側と、一般の学生のように情報を受けるだけの側が存在します。その中間に属する、各学部や団体の代表者までをサイボウズ Officeのユーザとし、そこから先はLINEなどで個別に伝達してもらう運用です。有償のサービスですので、費用対効果を考えると全学生を対象とするのはそもそも無理ですし、情報を受けるだけなら、やはり大学生にとってなじみの深いLINEの方が適切だと考えています。」(水野氏)
導入の決め手
限られた予算の中で有償サービスを選定した理由
一般企業と異なり、ITシステムに関する専属の部門を持たない学友会において、これらのシステムの検討を行うのが、水野氏の属する中央事務局調査企画部だ。
――学生団体はそれ自体で利益を生むわけではないため、新たなIT投資を行うための予算確保は難しかったのでは?
「ファイル共有にしてもスケジュール共有にしても、無償のクラウドサービスも存在します。しかし、"個人情報といったセンシティブなデータを、どう管理するか"という視点に立つと、セキュリティ面でも信頼性のおけるサービスである必要があります。
当然、学友会にとっては少なからず新規での出費となるため、稟議も行いましたが。セキュリティ面および、各製品の導入によりどのような効果があるのかを説明しましたので、導入のハードルはそう高いものではありませんでした。
こうして選定したのが「kintone」であり、「サイボウズ Office」であり、「メールワイズ」であったのです。」(水野氏)
また、「サイボウズ Office」、「kintone」、「メールワイズ」はいずれも「cybozu.com」上のサービスであるため、1度のログインですべてが使えるという点も大きかったという。これまでも無償のスケジュール管理サービスを活用してみたことはあったが、結果としてスケジュール入力を各自がしなかったために、なし崩し的に利用されなくなったこともあった。必要とする機能が1度のログインで行える"ハードルの低さ"も利用促進につながったという。
今後の展開
俗人化を避けることが組織運営の課題
学友会という学生団体という性質上、同会では1年ごとに卒業生および新入生によるスタッフの大幅な入れ替えが発生する。前述のようにITシステムを管轄する専門部署があるわけではないため、各製品導入から1年ほど経過した取材時には、中央事務局調査企画部の一部スタッフに管理を委ねざるを得なかった。
――今後の展望は?
「組織として次の世代に、どう引き継ぐのかは、ITシステムだけではなく、学友会が持つ大きな課題です。幸い、「サイボウズ Office」や「kintone」、「メールワイズ」とも、導入後もスムーズに活用されているので問題はないと思います。しかし、『こんな使い方もできるのでは?』といったブラッシュアップや運用ルールも含めて、改善していくことは十分に考えられます。属人化を防ぐという観点からも、今後は専門の担当部署を作ることも検討されると思われます。」と今後の展望を語った。
一般企業と異なり、いわば"ボランティア"という立場で組織運営に携わっているのが学友会のスタッフだ。こうした活動を円滑に進めるためにも、「サイボウズ Office」を始めとしたサイボウズ製品の活用の幅は、ますます広げていけるはずだ。
この企業でよく使う
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