Case Study オオノ開發株式会社
BCP対策でパッケージ版からクラウド版へ
高いセキュリティを確保し使い勝手も向上
- 業種
- その他
- 利用規模
- 101人~300人
- よく使う機能
- スケジュール・メッセージ・掲示板
- 掲載日
- 2021.04.21
オオノ開發株式会社は土木工事解体工事の請負・施工、産業廃棄物・特別管理産業廃物の収集運搬、中間処分、最終処分などを行う会社で、愛媛県松山市の本社を中心に全国11箇所の拠点を持つ。同社は2005年からパッケージ版「サイボウズ Office」を利用。約15年に渡って本社内のサーバーで「サイボウズ Office」を運用していたが、2020年5月にクラウド版に移行した。システム課の松下氏にパッケージ版からクラウド版へ移行した経緯と移行作業の様子についてうかがった。
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BCP対策、
スピーディーな復旧を目指すならサイボウズを頼るのがベスト -
コロナ禍のゴールデンウィークに
400GBのデータ移行を速やかに完了 -
高いセキュリティを確保しながら、日常の使い勝手が向上
INDEX
移行の背景
BCP対策が急務。自社復旧よりサイボウズに任せたほうが早い
――クラウド版「サイボウズ Office」への移行検討のきっかけを教えてください。
近年、各地で災害が発生しています。地震や台風など、いつどこで起こってもおかしくない状況です。そこで会社としてもBCP対策が急務と判断し、2019年の年頭から施策検討を始めました。
※BCP対策とは?
BCPとは「Business Continuity Planning」の略で、事業継続計画を指す。企業が、自然災害や事故、停電など、予測不可能な緊急事態に見舞われた際に取るための施策で、重要業務の被害を最小限に抑え、企業運営を滞らせないための行動指針。トラブルによる業務の停滞は、顧客流出や企業の信頼を損なう恐れもあり、BCP対策によるリスクヘッジは企業にとって必要不可欠な取り組みと考えられている。
BCP対策で大切なのは、緊急事態に陥った時に、社内メンバーや取引先様と早急に連絡がとれることです。そのためにはグループウェアの復旧時間をなるべく短くしたい。最初はパッケージ版の継続も選択肢に入れて考えはじめましたが、復旧作業の工程を考えた時に、クラウド版に魅力を感じました。
――どういった点に魅力を感じられたのでしょうか?
当社のパッケージ版「サイボウズ Office」は社内サーバーで動いていたので、災害によってなんらかの障害が発生したときに自社でサーバーの復旧作業を行う必要があります。もし被災したら、新しいサーバーを注文するところからのスタートです。発注から入荷までは1〜2週間必要でしょう。その後、バックアップデータを新サーバーに移行し、業務で使用可能な状態にするまでの時間を考えると最大1ヶ月程度かかる可能性があります。そう考えると自社で対策をするよりも、サイボウズさんに任せた方が圧倒的に早いと思いました。バックアップ体制も自社で環境を整えるよりも重厚です。
クラウド版「サイボウズ Office」のバックアップ体制
選定理由
社外や全国の拠点からも安全にアクセスできる
――クラウド版を使うことに懸念点はありませんでしたか?
やはりありました。当社ではセキュリティ面を一番大事に考えています。個人情報やビジネスに関わる情報などが入っている「サイボウズ Office」の安全性が、クラウド版ではどう担保されるのかは懸念事項でした。
クラウド版「サイボウズ Office」は、セキュアアクセス(クライアント証明書を利用してセキュアなアクセスを実現する有償オプション)とIPアドレス制限(拠点制限)を併用できます。この2つの機能を使えば社外や支店からも安全にアクセスできることがクラウド版に切り替える決め手となりました。端末の紛失や盗難への対処法、退職者の権限削除の手順などを合わせて上層部に説明し、理解を得ました。
セキュアアクセス・IPアドレス制限併用で社外からのアクセスも安心
※セキュアアクセスとは?
パソコンなどユーザーの端末にクライアント証明書をインストールし、ユーザー認証を行うことができるオプションサービス。社内からのアクセスはIPアドレス制限による接続元認証、社外からのアクセスは証明書によるセキュアアクセスを利用することにより、社内外問わず安全に便利にご利用いただけます。
クライアント証明書はユーザーごとに発行・管理が可能。万が一利用していたパソコンなどのデバイスを紛失した場合でも、他のメンバーには影響を与えず「サイボウズ Office」へのアクセスを一切不可にすることができます。
▶︎セキュアアクセスについて詳しくはこちら
移行前後の様子
グループ会社の全ユーザーに影響なくクラウド化に成功
――パッケージ版からクラウド版へのデータ移行はどのように進められましたか?
当社の「サイボウズ Office」のデータ量を確認したところ約400GBあり、提供されているデータ移行ツールを利用することができませんでした。
※データ移行ツールとは
パッケージ版「サイボウズ Office」から、クラウド版「サイボウズ Office」へデータを移行するために無料でご利用いただけるツールです。データ量が200GBまでの場合にご利用いただけます。データ量以外にも製品バージョン、動作環境など利用するための要件があります。
▶︎データ移行ツールについて詳しくはこちら
そこで販売店さんに相談して、有償の移行代行サービスを申し込むことにしました。
※有償のデータ移行サービス
データが200GBを超える場合や、自社での移行作業ができない場合は、有償のデータ移行サービスをご用意しています。データ移行サービスは、サイボウズ オフィシャルパートナー(販売店)経由でご発注いただけます。
▶︎オフィシャルパートナー
実際の移行作業は、深夜に私が自社サーバーからハードディスクにデータをコピーし、指定の場所まで物理的にサーバーを輸送、その後、移行代行業者がクラウド版にアップロードするという流れでした。
クラウド版へのデータを移行する際にはパッケージ版「サイボウズ Office」をシステム停止する必要があります。通常業務は止められないので、移行作業は、ゴールデンウィークに実施する計画を立てました。しかしながら、ちょうど新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言と期間が重なってしまったのです。
――緊急事態宣言は初めてのことで、貴社だけでなく、社会的にも不安が大きかったですよね。
はい。予定通りゴールデンウィーク中に移行作業を実施できるのだろうか?と心配しましたが、無事に作業完了していただけました。本当に感謝しています。
――クラウド版への移行後、社内ユーザーの方の反応はいかがでしたか?
ゴールデンウィーク開けに社内ユーザー約200人がログインする時に問題が起こった場合、情報システム部門3人で問い合わせに応じきれるか、とても心配していました。でも実際には何の問題も起こりませんでした。全ユーザーがパッケージ版の時と変わらない感覚で業務を開始することができました。
――それはよかったですね。何か事前に対策はされたのでしょうか?
ゴールデンウィーク前に新しいログイン情報と、クラウド版へのログイン画面のショートカットをデスクトップに設置しておくように周知しました。それが功を奏したのかもしれません。
導入効果
BCP対策はもちろん、日常の使い勝手も向上
――クラウド版へ移行した効果について教えてください
はい。1つ目はアクセス遅延の解消です。パッケージ版のサーバーは本社にありました。支店はVPN接続で本社サーバーにアクセスして「サイボウズ Office」を利用していたので、出勤時や夕方などアクセスが集中する時間帯には遅延が生じていました。クラウド版ではインターネットへのアクセスになるので遅延問題はなくなりました。
2つ目は、使い勝手がよくなったことです。「サイボウズ Office」はノートPC・Android系スマホ・iPhone・タブレットなどに対応しているので、これまでより多くのデバイスで利用できるようになりました。またインターネットが利用できれば良いので場所を選ばずアクセスできるようになりました。
3つ目は、テキスト検索がスムーズになったことです。パッケージ版では古いサーバーにディスク増設をして稼働させていたためにテキスト検索が苦手でした。クラウド版になって検索がとてもスムーズになりました。
――これからクラウド版移行を考える方にメッセージをお願いします
弊社の場合は、BCP対策として有効か、セキュリティは大丈夫か、が重要なポイントでした。クラウド版「サイボウズ Office」なら、常に複数のバックアップがありますが、自社だけで同じ体制を構築しようとすると、膨大な費用と工数が発生します。信頼できるところに任せられる部分は任せようと私たちは判断しました。同じ観点をお持ちの場合は、クラウド版「サイボウズ Office」のバックアップ体制やセキュリティ面について社内で説明すると上手くいくのではないでしょうか。
――貴重なお話、ありがとうございました
パッケージ版「サイボウズ Office」は、2021年から2026年にかけて順次販売を終了し、2027年にサポートを終了させていただきます。現在パッケージ版をご利用中のお客様は、クラウド版への移行をご検討ください。
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