サイボウズ Office

サイボウズ Office

Case Study 宮田製菓株式会社

「特売」の生産調整をスケジュールで解決
営業から製造まで
みんながラクになった情報共有

宮田製菓株式会社

業種
製造業
利用規模
101人~300人
よく使う機能
スケジュール・メッセージ・ワークフロー
掲載日
2025.02.06

「ヤングドーナツ」などのお菓子を製造する、岐阜県各務原市の宮田製菓株式会社。同社はそれまでの紙文化を脱却し、社内の情報共有をスムーズにしようと、2016年にサイボウズ Officeを導入した。売上拡大のチャンスである一方、生産計画との調整が重要となる「特売」の情報も、ここで全社に共有し、各部門の負担軽減につなげているという。具体的な活用方法や効果について、代表取締役社長の新美則康氏、業務統括部 次長の大島久弥氏、同部経営管理課 課長の大堀義貴氏に伺った。

Point

  • 紙文化からの脱却。

    デジタルが苦手な社員も多かったが、今後を考えて導入

  • 生産調整が難しかった「特売」のスケジュールを共有。

    関わる部門の負担が軽減

  • 気軽に社員の意見を尋ねるなど、

    オープンなコミュニケーションができるように

導入背景

紙文化に限界「そろそろデジタル化しなければ」

――まずは宮田製菓について教えてください。

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(新美氏)
製菓の製造業を営んでおり、主力製品の「ヤングドーナツ」をはじめ、ドーナツやキャラメルを製造しています。社員数は170名ほどおります。近年はメディアで「ヤングドーナツ」をご紹介していただける機会も多く、認知度が高まる中で、企業やキャラクターとの各種コラボなど、製菓以外の企画にも取り組んでおります。

――2016年にサイボウズ Officeを導入していますが、背景にはどのような課題があったのでしょうか。

(新美氏)
私たちの会社はそれまで完全に“紙文化”でした。紙で伝達していると、みんなハンコは押しているものの、きちんと伝わっていなかったり、漏れが発生したりしていました。その状況を脱して、情報共有をより早く、丁寧に行いたいと考えていました

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業務統括部 次長 大島氏

(大島氏)
それまでグループウェアなどは入れておらず、デジタルツールといえばメールくらい。会議の議事録や全社的な伝達事項は、基本的に紙で行っていました。そのため、回覧の書類がどこかで止まったり、途中で紛失したりということもありました。今考えると「紙だけでどうやってやりくりしていたのだろう」という気持ちです(笑)

(大堀氏)
電話でのやりとりも多く、社員のスケジュールも会議内で共有されるだけだったので、「言った言わない」になることも。会議室については当日、他の社員とバッティングしてしまうケースもありました。急いで別の場所を探すことが珍しくなかったですね。

――その中で、どういった経緯からサイボウズ Officeを導入したのでしょうか。

(新美氏)
現会長からグループウェアの導入の指示があったことがきっかけです。

私を含め、当社はパソコンが苦手な社員も多いですし、昔は指一本でキーボードを打つような社員の姿もよく見られました。一方でその頃は、私たちのような中小企業もデジタル化をしなければ、という意識が強まっていました。その中で、現会長は他会社経営時の経験からグループウェアの有用性を知っていたため、当社でも導入することで業務の効率化が図れると判断し、導入を検討することになりました。

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代表取締役社長 新美氏

検討の結果、うちのような会社にはサイボウズ Officeが向いていると。実際に、当社と同じ中小企業で使っているケースが多いという話もありましたので、それならチャレンジしてみようと導入したのです。

利用方法1

生産量が一時増加する「特売」
スムーズな予定共有でみんながラクに

――サイボウズ Officeの利用方法について教えてください。

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製造現場で使われているスマホアプリのサイボウズ Office

(大島氏)
おもに事務職全員と、製造部の管理職が使用しています。当社の事務職は、営業や商品開発を行う営業開発部、商品の受注、資材の発注を担当する管理部、そのほかに品質管理部と業務統括部があります。ここに製造部を含めた各部門が、密に連携をとっています。事務職はパソコンで、製造部は基本的にスマホアプリでサイボウズ Officeを使っています。

――具体的にはどのような機能を活用していますか。

(大島氏)
よく使っている機能のひとつが「スケジュール」です。社員のスケジュールを共有できるようになると「こんなに便利なのか」と実感していますね。社長の予定を把握できるようになったのも大きく、アポイントの調整がスムーズになりました。営業は外出も多いので、出先から日程調整をできるのも便利です。

また、商品の生産管理においても、「スケジュール」が役立っています。当社では、スーパーなどで開催される「〇〇フェア」といった特売イベント等に合わせて、特定の商品の生産量が増加する期間が多々あります。こうした“特売情報”を「スケジュール」で把握できるようにしました。当社の主な製造商品はドーナツとキャラメルです。そのドーナツとキャラメルをサイボウズ Officeのユーザーとして登録しているんです。

――ドーナツとキャラメルをユーザー登録、とても興味深いです!どういった目的があるのでしょうか?

ドーナツとキャラメル、それぞれについて、営業が特売情報を書き込み、管理部が受注を管理し、製造部が製造時期や出荷量などを確認することで情報共有ができているんです。

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サイボウズ Officeのスケジュールで各部門が連携

(大堀氏)
当社の商品は賞味期限が約60日と短く、生産を分散させたり、長く保管したりということが難しいんです。そのため、同時期に特売が集中すると、生産量のキャパシティを超えてしまう可能性があります。ですから、営業部と管理部、製造部が特売情報を共有しながら、バランスよく生産計画を立てていくことが重要です。

これまではその情報を紙などで伝えていたため、どうしても共有に時間がかかったり、漏れがあったりという課題がありました。その結果、特売が重なり生産量のキャパシティが上限に近いときでも、さらなる特売を受注してしまうなどのリスクが生じていました。

(大島氏)
今は「スケジュール」を見れば、特売の情報がまとまっている状態を作りました。営業部はこの時期に特売の契約を結んでも支障がないかが一目でわかります。製造部も共有された情報をもとに、前もって製造状況を伝えられます。それまで前年度の実績を参考に資材を発注していた管理部も、この特売情報のスケジュール共有を活用することで発注量の精度を上げられるようになりました。

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実際の「スケジュール」の画面。特売の情報が全社に共有されている。

(大堀氏)
過去にはエクセルなどで特売情報を共有しようと試みたこともありました。しかし、表記入やOneDriveでの共有という2アクションが必要なことや、スマートフォンでの視認の悪さなどから、なかなか浸透しませんでした。唯一うまくいったのが、自分の予定と一緒に特売スケジュールが把握できるこの方法です。社員の間では、特売情報は必ず「スケジュール」に入れておきましょうという意識になっていますね。

利用方法2

情報伝達を気軽にスムーズに
社員の声を集めて広がるアイディア

――ほかによく使っている機能はありますか。

(大島氏)
「メッセージ」ですね。一番助かっている機能です。社内の伝達事項は、ほとんどここで共有しています。社員の日報や、製造部の残業時間管理の報告などにも利用していますね。紙で書類を回覧していた頃は、全員が確認するまでに最大2週間ほどかかることもありましたが、今は数日で済んでしまいます。

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実際の「メッセージ」の受信画面

(新美氏)
外出時でも確認できるので、私がいない時に「社長の机で書類が止まっている」ということがなくなりました。また、宛先を変えることで、見てほしい人にだけ送れるのも便利です。紙でやりとりしていた頃は、幹部クラスだけに見せたい書類が、回しているうちに他の社員の目に入ってしまうリスクがありましたから。

(大島氏)
メッセージを読んだことを示すリアクションボタンも使っています。当社ではボタンの表示を「確認しました」という文言に変更して利用しています。既読の人数だけでなく誰が押したかまで表示されるので、読んでない人が分かり、あとから「確認しておいてください」とフォローすることができます。社員には、ルールとしてメッセージを確認したら「必ず『確認しました』を押すように」と伝えていますね。

また、製造現場にはPCがないので、製造部のメンバーはスケジュールの確認やメッセージ、ワークフローなどをスマホアプリからチェックしています。プッシュで通知が来るのも便利ですね。

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業務統括部 経営管理課 課長 大堀氏

(大堀氏)
アンケート機能もよく使っています。たとえば新しい社内制度の導入を検討する際に、「こんな制度があったら利用してみたいですか?」と尋ねるなど。個別に直接意見を聞くのは大変ですし、大々的なアンケートだとちょっと堅苦しいとき、ワンクリックで気軽に調査ができるのはありがたいですね。

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「メッセージ」を使ってアンケートを実施

(大島氏)
稟議書や新商品の開発のやりとりでは「ワークフロー」も活用していますね。
新しく開発する商品の概要や発売までのスケジュール、会議の議事録などを記載して回します。会議に参加していない人も含めて、部門の責任者は内容をチェックして「確認」や「承認」のボタンを押します。

以前まで、新商品の開発は会議に参加している“当事者”だけでプロジェクトが進んでいくことが多かったんです。しかし、何事もいろいろな人の視点で見てもらうことが大切ですよね。特に新商品のサイズやデザインは、さまざまな年代、好みの人に意見を聞いた方が良いと思っています。その考えをもとに、会議の参加者以外でも進捗を見られるようにしています。

導入効果

情報共有だけでなく、社員同士を繋げる場にも

――サイボウズ Officeの導入によりどのような効果を感じていますか。

(大堀氏)
良い意味で、一つひとつのコミュニケーションが軽くなって頻度も増えたと思います。「メッセージ」のアンケート機能もそうですが、社員の意見や気持ちを簡単に尋ねられるようになりました。

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(新美氏)
やはり情報共有をしやすくなったのが一番ですね。「情報共有ができる会社にしよう」というのは、社長になってからいつも意識してきたことです。回覧のスピードが上がったのはもちろん、ひとつの情報を確認してもらう人数も、紙の頃よりずっと多くなりました。一部の人だけで物事が進まないようになったのも良い効果だと思います。部門間で情報を共有できるようになり、距離が縮まったと感じています。

今はもう一部の当事者だけで会社のプロジェクトや活動を行う時代ではないと思います。もちろん内容にもよりますが、基本的にはいろいろなことをみんなで共有しながら、全体で協力して進んでいくことが大切ではないでしょうか。

何より、社内の情報共有が進むと、どこかで社員が行っている挑戦を、たくさんの人が知れるようになります。すると、それに対して「私はこんなサポートができるよ」と協力してくれたり、役に立つアイデアを提供してくれたりするかもしれません。私はよく社員に「挑戦しましょう」と伝えていますが、サイボウズ Officeによる情報共有は、実は新しいチャレンジをサポートする“仲間”を増やしてくれると思っています。

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今後の展望

サイボウズ Officeを軸に、他のデジタル化も促進

――最後に会社としての展望を教えてください。

(新美氏)
今ちょうど当社の基幹システムを更新しているのですが、それに合わせて、製造現場の社員にもタブレットを導入する予定です。これまで紙に記入していた日報や製造記録をデジタル化していく予定です。

この決断を下せたのも、ゼロからサイボウズ Officeを導入して、きちんと社員に浸透したという経験があったからです。これからも、当社なりにデジタルを使いながら成長していきたいですし、それをもとに、たくさんの方においしいお菓子を届けていきたいと思います。

――貴重なお話をありがとうございました。これからもサイボウズ Officeをよろしくお願いします。 

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