Case Study 株式会社一ノ蔵
限られた情シス人員でDXを進めるために
サイボウズ Officeとkintone併用を選択
- 業種
- 製造業
- 利用規模
- 101人~300人
- よく使う機能
- スケジュール・ファイル管理・ワークフロー
- 掲載日
- 2022.11.10
豊かな自然の中で酒造りを営む株式会社一ノ蔵は、4つの酒蔵が合併して誕生。2000年頃にグループウェアをいち早く導入し、社内コミュニケーションに利用してきた。2018年になると業務改善のためにkintoneを取り入れ、2021年にはグループウェアをクラウド版サイボウズ Officeにリプレイスした。 今回は「情報システム部門の人員が少ない中、限られたリソースでいかにDX化を図るべきか」という課題に対し、サイボウズ Officeとkintoneの併用を選んだ代表取締役 副社長 浅見周平氏のお話をお届けする。
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社内の意思統一を図るためには情報共有が大切。グループウェアは必須だった
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グループウェアのクラウド化なら、使い勝手がよく低コスト管理が楽なサイボウズ Officeが最適
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kintoneで業務改善に注力するためにコミュニケーション基盤はサイボウズ Officeで省力化
INDEX
導入背景
4つの酒蔵が合併して誕生 いかに意思統一を図るかが重要だった
――一ノ蔵について教えてください。
株式会社一ノ蔵は、地元宮城の米と水を使い、手作りの仕込みによる高品質の酒造りを行っています。宮城県内にあった浅見商店、勝来酒造、櫻井酒造店、松本酒造店という4つの酒蔵がひとつになって1973年に誕生しました。四角い枡をかたどったロゴは、4つの酒蔵ががっちりスクラムを組んで支え合う様子を象徴しています。
――どんな社風だと思われますか?
創業役員たちは従来の造り酒屋のしがらみを捨てて一ノ蔵という会社を作りました。そのため新しいことを取り入れることへの寛容さやベンチャースピリットが社内に息づいています。
看板商品の「一ノ蔵無鑑査本醸造」は1992年まで続いた清酒の級別格付け制度への問題提起として1977年に生まれました。同制度下では特級や一級の格付けに対して高い酒税がかかります。そこで高品質な酒をあえて鑑定にかけずに「二級酒で、酒税分がお得なお酒」として発売し業界を驚かせました。
また1998年にはスパークリング日本酒の「すず音」を発表しました。1982年のヨーロッパ視察で「ワインを彷彿とさせるビール」に出会ったことで誕生したお酒で、スパークリング日本酒のパイオニア的な存在です。その後も低アルコールの日本酒など、時代のニーズに合った新商品を世に送り出しています。
――常に新しい試みをされてきたのですね。最初のグループウェア導入は2000年ごろとのこと。当時としてはとても先進的だったと思いますが、導入のきっかけを教えてください。
先代の担当者の時代に導入したので詳しいきっかけは分かりませんが、新しいことを取り入れることに寛容な一ノ蔵の風土が関係していると思います。また、4つの蔵が一つになり、色々なルーツを持つ人たちが一緒に働くことになった経緯から、みんなの意思統一をどのように図っていくかについて興味関心が高いです。
そんな風土もあって、IT系企業の出身だった当時の担当者が、「歴史と伝統の酒造りの世界」で基幹システムなど情報システム化を進めてきました。その流れの中で、比較的早い段階でグループウェアも導入したのだと思います。以来、社内コミュニケーションはグループウェアで行っており、情報共有の大切さは社内に浸透しています。
利用方法1
日報・顧客管理の業務改善にkintoneを導入
――2018年にkintoneを導入されていますが、導入の目的や用途を教えてください。
日報管理や顧客管理を手組みのシステムで運用していたのですが、互換性や、タイムリーに双方向のやりとりできなかったので、ツールのリプレイスを検討し始めました。最初に乗り換えたのはSalesforceだったのですが、多機能だった反面、自分たちで柔軟に設定変更ができないことがネックとなり解約しました。その後、ノーコードで開発できるkintoneが使いやすいと思い導入を決めました。
kintoneは管理職・マーケティング室・商品開発室など約60名で利用しています。用途は、営業日報・見積作成・経費精算・販売管理・商品管理・ワークフロー・人事考課などです。
利用方法2
社内コミュニケーションの基盤は管理が楽で使いやすいサイボウズ Office
――続いて2021年にサイボウズ Officeを導入されていますが、導入の経緯を教えてください。
当初使っていたオンプレミス(自社でサーバーを管理する方式)のグループウェアの保守が切れ、最新のブラウザーで上手く動かないなど、これ以上利用を継続するのは限界と判断。いくつかの選択肢の中からサイボウズ Officeを選びました。
決め手は3つあります。1つ目は、クラウドツールであることです。オンプレミスはサーバー管理もせねばならず、kintoneの運用や他のシステム管理もある中で、負担に感じていました。またクラウド化することで、外出先からもっとつなぎやすくなると考えました。
2つ目は、kintoneと同じサイボウズ社の製品なので、ユーザーを一元管理できることです。管理者にとっては1回ユーザー登録をすればいいのでアカウント管理の手間が省けます。ユーザーにとっても1度のログインで両方のツールをシームレスに使えるのでストレスがかかりません。
3つ目は、サイボウズ Officeはアプリを構築する必要がないことです。スケジュールや掲示板など、20年以上に渡ってブラッシュアップされ続けている使い勝手のいい機能をそのまま使えます。社内コミュニケーションの基盤となる仕組みを1ユーザーあたり500円(※)で使えるというのは非常にコストパフォーマンスがいいと思いました。当社の情報システム部門は私を含めて2名体制です。普段のコミュニケーションの運用管理にはできるだけ手間をかけず、一方で業務改善につながるkintoneの構築にリソースを集中したいと考えていました。そんな私たちにとってサイボウズ Officeはぴったりの選択肢でした。
※取材当時の価格情報です。最新の価格については、こちらにてご確認ください。
――サイボウズ Officeの利用方法とその効果について教えてください。
サイボウズ Officeは全社員約150名で利用しています。ユーザーの年齢層は幅広く、最年長は相談役で私の父でもある78歳です。機能は「スケジュール」「掲示板」「ファイル管理」「メッセージ」「ワークフロー」などを利用しています。
例えば、「スケジュール」。外出中の社員と電話が繋がらないことはよくありますが、「スケジュール」を見れば、いつ連絡ができるのか分かります。電話対応の時に本人が不在でもスケジュールを見て適切な返事ができる点がいいですね。役員の予定も週次の役員会で一括登録しているので、社員が役員に連絡をとったり、打ち合わせの調整も容易です。「社長につないでもらえますか?」という電話を受けた場合に、応対する社員が心理的な負担を感じずにスムーズに対応できるのも非常にいいことだと思います。
全社に一斉にお知らせする場合には「掲示板」を利用しています。伝達したいことが1回で行き届くので便利です。小売部門から、特売やわけあり商品販売のお知らせなど、いろんな部門のメンバーが便利に利用しています。
「ファイル管理」は社内規定や議事録を保管しています。例えば当社には、5S・改善委員会・安全衛生委員会・共済会・蔵のイベントなど、色々な会議体があり、それらの議事録を共有するのに役立っています。
「メッセージ」は、工場勤務でメールアドレスを持たない社員も含め、全員の社内連絡手段です。一つのテーマについてスレッド形式で話し合えるので、プロジェクト進行や小集団での活動にも利用しています。スレッドは立ち上げ自由のルールにしているので、とても活発に利用されている機能だと思います。
「ワークフロー」は、休暇申請などシンプルな申請の時に利用しています。申請内容によって承認経路の条件分岐や閲覧制限が発生するような複雑な決裁についてはkintoneが向いているのでそちらで行っています。
サイボウズ Office導入による1番の効果は、クラウドになったことで使いやすさがドーン!と上がったことです。以前は外出先からの接続はVPNで入っていたので接続まで多くの手間がかかっていたのですが、今はwebにさえつなげばパソコンでもスマートフォンでも簡単にサイボウズ Officeにアクセスできます。営業担当は、スマートフォンアプリも使っています。プッシュ通知が受け取れるので、どこにいても予定がリマインドされて助かっているそうです。
DX化のコツ
中小企業のDX化のコツは選択と集中
――業務改善にはkintone、社内コミュニケーションにはサイボウズ Officeと2つのツールの併用を選択されました。「中小企業がDXを進める時のポイント」についてどうお考えですか?
中小企業が情報システムにかけられるリソースは限られています。だから大切なのは選択と集中だと思います。
kintoneはとても使いやすいツールで色々な業務改善ができますが、アプリを構築したり、運用してさらに改善していくためにはそれなりに時間がかかります。当社の情報システム担当は2人。その限られたリソースをkintoneの構築と運用に当てたいと考えていました。だからコミュニケーション基盤であるグループウェアの運用には時間もコストも最小限に抑えたかったのです。そんなニーズに、サイボウズ Officeはぴったりでした。
――最後に、サイボウズ Officeの導入を検討している中小企業の担当者の方に、メッセージをお願いします。
サイボウズ Officeは使いやすく、導入のハードルが非常に低いです。ひとり情報システム部門であっても大丈夫なところが良いですね。いま紙の稟議書を使っていて、どこで止まっているか分からない、そんなお悩みがあるなら「ワークフロー」でボトルネックが分かるようになります。「社長につないでもらえますか?」と問い合わせが入った時も「スケジュール」を見れば所在が分かるので、社員の心理的な負担が軽くなります。
無料のお試しも1ヶ月あり、ここでかなり試せます。やる・やらないを決めるのに、まずは使ってみるのがコツです。要件定義に時間をかけるより、何ができるか体験してみると良いと思います。
ーーとても参考になるメッセージ、ありがとうございました。
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