Case Study 豊資会グループ
社内業務の効率化と
社内コミュニケーションの活性化
~グループウェアがもたらしたもの~
- 業種
- 医療福祉業
- 利用規模
- 301人~
- よく使う機能
- カスタムアプリ・ワークフロー・掲示板
- 掲載日
- 2016.12.20
福岡県内で医療・介護事業を運営している 豊資会グループ。事業内容は、病院・訪問診療・訪問看護・リハビリをはじめとする医療分野と、介護分野ではデイサービス・訪問介護・ケアプランサービス等の介護サービスに加え、高齢者向け住宅・グループホーム等の運営、更に配食サービスと、多岐に渡ります。創業から36年を迎えるという同グループ 統括本部長の加野 豊子氏、並びにシステム管理課課長 中島達也氏にお話を伺いました。
INDEX
導入背景
院内のシステム化を促進したサイボウズ Office
豊資会では、2000年ごろから院内のシステム化を図るために、まずは電子カルテを導入しました。しかし、そのころ院内ではパソコンの利用が広がっておらず、本格稼働に至る前に運用を断念してしまいました。そして2001年頃、まずはパソコンの利用に慣れてもらうことを目標に、「サイボウズ Office 4」を導入しました。
院内で「サイボウズ Office」を浸透させるために行ったことは、有給休暇取得申請や残業申請、など、申請まわりの紙をすべて廃止することでした。「サイボウズOffice」上で申請されたものしか承認しないように強制的に利用を促したところ、最初は抵抗があった社員も最終的には、問題なく利用できるようになりました。「サイボウズ Office」をきっかけに社員がパソコンに慣れた結果、2007年に再度電子カルテの導入に挑戦した際には、スムーズに導入が進みました。
利用方法1 「ワークフロー」
申請まわりの紙は廃止し、300種類以上の
申請フォームで全て運用
「サイボウズ Office」や院内のシステム化のきっかけになったワークフローは、今では300種類以上の申請フォームがあります。
ワークフローの利用は、強制的に利用を促進させるだけではなく、承認までのスピードも上げることができました。各施設、場所が離れていたこともあり、紙で申請を行っていた時は承認までに2週間もかかっていましたが、今では当日中に決裁がおりるようになりました。決裁のスピードが上がることによって、申請に関連する仕事に取り掛かるまでの時間が早くなったので、システム部門や総務部門など申請書類が多い部署にとって、ワークフローの導入は画期的なものでした。
利用方法2 「カスタムアプリ」
システム部門の作業タスクと作業工数を管理
システム管理課で利用しているカスタムアプリに「システム連絡票」アプリがあります。院内からシステム管理課に依頼、相談する案件がすべてこのアプリに登録されています。システム管理課は現在 3 人のメンバー構成ですので、担当の振り分けやそれぞれの作業の進捗状況の確認が必要になりますが、すべてこのアプリで行うことができています。
カスタムアプリを導入する前、院内からの依頼はすべて電話で対応していました。そのため、実際の作業時間だけでなく、電話対応に時間がかかったり、電話がかかってくると作業していたものが途中で止まってしまったりと課題が多くありました。今では緊急時以外は全てアプリに登録されるので、メンバーのタイミングで作業ができるようになりました。 また、このアプリには実際の作業工数や作業の中で発生した費用もすべて登録しているため、月次および年次報告の際に、システム管理課の実績報告も簡単にできるようになりました。情報システム部門は一般的に成果が見えづらい部門ですので、このアプリを持って実績を報告できるようになったことは大変嬉しい結果となりました。
さらに、今まで対応した依頼内容を院内FAQアプリにも登録して事例を共有する事で、簡単な内容であれば社員自ら解決できるようにもなりました。
利用方法3 「カスタムアプリ」
各施設のお客様情報をカスタムアプリで一元管理
各施設への入居希望者のリストを登録している「待機者リスト」アプリがあります。このアプリでは、病歴や今までどの施設でどのようなことがあったのかなど、お客様個人に関する情報をすべて管理しています。カスタムアプリ導入前は、これを施設ごとに紙で管理していたため、施設を移動した際にお客様は毎回自分の病歴等を記入する必要があり、手間となっていました。しかし、今はお客様情報を集約して管理できるようになり、どの施設からでも同じカスタムアプリ内の情報が見れるようになりました。
また、各施設の空室状況を一覧で管理するための「空室情報」アプリがあり、このアプリでは、各施設の空き状況や待機者状況が見れるようになっています。カスタムアプリ導入前は、施設ごとに専用の紙で管理していたため、都度電話で空き状況の確認をする必要がありました。今ではどの施設からでも全ての空き状況がわかるため、お客様をお待たせすることがなくなりました。
利用方法4 「掲示板」
院内ブログが各施設のコミュニケーションの
きっかけに
掲示板では、院内からのお知らせの配信だけでなく、各施設のブログ的な要素でも利用しています。各施設で主催しているイベントの告知や開催レポートなど、毎回色んな社員が自由に書き込みを行っています。例えば、餅つき大会のお知らせやお花見大会など、普段の仕事からはわからない各施設の雰囲気や、働いている社員の様子などが伝わり、ブログをきっかけに各施設の交流が増えたと言います。
また、このようなブログを書くと、色んな人から「いいね!」ボタンを押してもらえるので書く人もたくさんの「いいね!」をもらえるように、工夫してレポートを書いているそうです。院内ではこっそり「いいね!」数の競い合いもされているそうで、みな楽しんで掲示板機能を利用しています。
導入効果
必要な情報をどこでもリアルタイムに共有
「サイボウズ Office」導入前は、各施設内で情報が止まっていました。しかし、「サイボウズOffice」導入により情報共有の基盤が生まれ、今までネットワークをつないだだけではできなかった、医療の現場と介護の現場同士、さらに場所が離れた人同士でもコミュニケーションが取れるようになりました。また、院内の必要な情報がすべて集約されているので、いつでもどこからでも、リアルタイムに必要な情報を共有することができるようにもなりました。それにより院内の交流も増え、社員同士のコミュニケーションの活性化にもつながり、普段の仕事にもよい効果が出ています。
活用ポイント1
「親しみやすいグループウェア」を
実現するための工夫
「活用のハードル」を超えるために、中島氏が工夫されている点は数多くあります。例えば前述のカスタムアプリ。豊資会様のキャラクターである「ぞうさん」というネーミングを用い、図書の貸出管理アプリには「ぞうさん文庫」、お弁当注文アプリには「keiばあちゃん」と名付けるなど、利用者に親しみやすい設定を心がけられているそうです。
この様な雰囲気作りは担当者の中島氏にとどまらず、利用者にも伝わっています。
社員のブログとなっている掲示板では「いいね」の文言を自由に変え、餅つき大会のお知らせなら「ぺったんぺったん」など、こちらも他の利用者がボタンを押しやすい雰囲気の醸成に役立っているようです。
単なる業務ツールというだけでなく、グループウェア上の雰囲気作りも活用のハードルを越えるためのポイントなのかもしれません。
活用ポイント2
ツールを使い分けることによって
業務の効率化がより進む
「サイボウズ Office」を導入することによりリアルタイムな情報の共有や院内のコミュニケーションが進んできたと話す加野氏。しかし一方で院内のすべての情報をグループウェアで共有しなくてはいけない、という風土については危機感を感じられているといいます。
「私たちはパソコンを見る時間を多くしたいと思っている訳ではありません。確かにグループウェアで業務の効率化を図ることは重要だと思いますが、時には Face to Face でコミュニケーションを取ることも大事です。IT の力を過信しない。これがITツールをうまく使うコツだと思います。」
ツール一辺倒にならず、人とのコミュニケーションを大切にされている同社。このバランス感覚がどの会社の経営にも必要なのかもしれないと思いました。
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