Case Study 株式会社ベストコンサル
保険代理店の業務と営業活動の見える化を
カスタムアプリで実現!
- 業種
- 金融保険業
- 利用規模
- 51人~100人
- よく使う機能
- カスタムアプリ・スケジュール・ファイル管理・ワークフロー
- 掲載日
- 2021.03.02
株式会社ベストコンサルは、福岡県で生命保険・損害保険13社を取り扱う保険代理店。取引数は九州トップクラス、業界内では「保険代理店業務のデジタル化」に最も早く取り組み、大きな成果を上げていることで有名だ。同社のサイボウズ Officeによる保険募集業務のプロセス管理の仕組みについて、株式会社ベストコンサル 専務取締役 佐藤 未寧夫 氏に伺った。
※本記事はイベント「Cybozu Days 2020」における佐藤氏の事例発表とインタビューをもとに構成した。
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導入の決め手は、
誰でも使える操作性+充実した機能+低コスト -
個人まかせの古い営業スタイルから
営業プロセスの見える化を実現 -
カスタムアプリ作成のコツは目的の明確化
サイボウズのサポートが強い味方に
INDEX
背景
法改正による古い営業スタイルからの大転換
――2016年改正保険業法施行がカスタムアプリ導入のきっかけ
株式会社ベストコンサルがサイボウズ Officeで営業のプロセス管理を始めたきっかけは、2016年施行の改正保険業法の影響で保険業界全体が「業務フローの大転換」を迫られたことだった。
同社の業務管理責任者・佐藤氏は、以前、東京海上日動火災保険株式会社で営業と保険代理店の業務プロセスの分析に従事していた。保険会社と保険代理店、両方の視点から業務プロセスと営業の課題を熟知していたため、その知見を活かして改正保険業法に対応できる営業プロセス管理の仕組みを構築しようと考えた。
<改正保険業法で求められた変化とは?>
保険業界では、保険会社が保険商品を作り、業務委託契約のある保険代理店(保険募集人)がお客様に販売する。この一連の業務では書類を扱う事務業務が大量に発生する。
改正保険業法では、お客様保護の観点から保険代理店自身がどのような管理体制で営業を管理しているか、業務プロセスにおけるエビデンス(活動記録)等を残すことが求められる内部管理体制義務が施行された。
保険代理店の営業に携わる保険募集人はサラリーマンを経験後に独立した方がほとんどであり、年配の方も多い。「手帳ひとつあれば十分」という昔ながらの営業スタイルが主流という業界において、改正保険業法への対応は非常にハードルの高い課題だった。
導入の決め手
誰でも使えて、機能が充実したシステムを
低コストで導入できる
大手保険会社勤務の経験もある佐藤氏は保険ビジネスの全プロセスを理解している。
「どうすれば保険代理店の営業プロセスを記録できて、かつ売上を上げることができるのか?と考えました。外資系を含め様々なツールを検討しましたが、私の構想を実現できるツールとしては、サイボウズ Office、一択でした。」と佐藤氏は語る。
■サイボウズ Officeを選んだ理由
・ITに疎い年配のメンバーでも直感的に操作できる
・スケジューラーだけではなく、業務プロセスを把握できるツール=カスタムアプリが備わっていた
・大手企業が採用しているような伝達・各種申請を行うための自社ポータルサイトを中小企業でも低コストで実現できる
最も重要だったのはサイボウズ Officeの操作性だった。同社の保険募集人には年配のメンバーも多い。画面を数回クリックするだけで操作が完了するかんたんで直感的な操作性は、他のどのツールにもない利点だった。
しかし、昔ながらの営業スタイルが主流の保険代理店業界においては、公開カレンダーに予定を登録させることすらハードルが高く、浸透しないことが予想された。そこで佐藤氏は、業務の流れを丸ごと見直し、サイボウズ Officeへの入力が絶対に必要な業務フローにすることで、全員がサイボウズ Officeを利用せざるを得ない環境を構築した。
具体的に取り組んだのは、「行動管理」「業務の可視化」「業務の簡素化」の3つだ。
利用方法1
スケジュール「予定メニュー」で
営業活動を見える化
1つ目の「行動管理」ではまず、スケジュール機能の「予定メニュー」を保険商品ごとに色分けした。具体的には、会議関係はオレンジ、損害保険に関する業務は青、生命保険に関する業務は赤、といった形だ。
この設定により、グループ週表示画面を開くだけで「誰がどんな行動を、どれだけしているか?」が週単位で可視化することができた。
例えば、上記のカレンダーの赤枠部分の保険募集人は損害保険関連の予定を示す青色の予定が多い。一方で生命保険関連を示す赤色の予定がないので、生命保険の売れ行きが懸念される。そこに対してマネージャーが適切なアドバイスをすることで営業成績を上げていくといった活動を日々行なっているという。
利用方法2
保険業務の全プロセスを
カスタムアプリで管理可能に
2つ目の「業務の可視化」については、カスタムアプリで実現した。佐藤氏は「とにかく使い手である保険募集人と事務スタッフが簡単に操作できること、そこで業務が完結すること、を意識してカスタムアプリを作りました。」と語る。
ここからは保険業務を担うカスタムアプリをいくつか紹介する。
■保険の更新進捗確認アプリ「更新くん」
保険商品は1年に1回必ず更新業務が発生する。同社は九州でもトップクラスの取引数を誇り、管理する契約案件は個人約2万3千名、法人1,800社とかなり多い。さらに改正保険業法により、一つ一つの案件について、アポイントの状況・提案の内容・提案後のやりとりなど、詳細にエビデンスを残す必要がある。これらは保険募集人と事務スタッフ双方に膨大な作業を課すこととなる。この業務をかんたんに完結できるようにしたのが、更新進捗管理アプリ「更新くん」だ。
情報を詳細に入力する作業は、ITを苦手とする保険募集人にはハードルが高い。そこで佐藤氏はスマートフォンやタブレットで3回タップすれば操作が完了するように項目を設定した。「カスタムアプリは一覧画面から直接項目の編集ができる、これは本当に便利ですね。」と佐藤氏は語る。
保険募集人は「更新くん」の営業状況の部分をクリックし、プルダウンで状況を登録するだけでOKというシンプルさだ。
簡単に入力できることで「更新くん」への入力作業が浸透し、保険の更新情報がすばやく「更新くん」に蓄積されるようになった。するとマネージャーがカスタムアプリの集計機能を使って、「更新くん」で全体の進捗状況を確認できるようになった。満期が間近な案件がどのくらいあるか、更新の提案が遅れている案件がないか、などポイントとなる指標ごとに集計できるため、タイムリーに指示を出すことができ、業績拡大に役立っているという。
さらに「更新くん」側のステータス管理設定により、担当者のスケジュール画面では、満期日の1ヶ月前に更新案件が表示される。
例えば担当案件のうち来年1月1日に満期を迎えるお客様がいる場合、自分のスケジュール画面の12月1日の枠に「更新進捗管理」と自動的に表示される。担当者は「いつ・どの更新案件の業務を優先するべきか?」を自動的に知ることができるのだ。
「今では保険募集人たちが『このカスタムアプリがないと仕事になりません』と言うようになりました」と佐藤氏は語る。そしてこの「更新くん」によって、保険募集人によくある「仲の良いお客様のところには頻繁に訪問するが苦手なお客様のところにはなかなか訪問しない」という状況を脱し、「会社として何をどれだけすべきか」を全員が明確に把握できるようになった。
■顧客管理アプリ「対応くん」
「対応くん」はお客様の訪問や電話応対の履歴を蓄積できるアプリだ。昨年の商談時、1ヶ月前の商談時、それぞれでどんな話をしたか?といった履歴をお客様情報と紐付けて一覧で確認することができる。直接の担当者が不在の場合でもこれを見れば対応状況がすぐにわかるので、スムーズに対応ができる。
■提案内容を自慢できる「天狗箱」
「天狗箱」は保険募集人が提案書を自慢するというおもしろいアプリだ。アプリのメモ欄にあるメッセージが印象深い。
(前略)決まらなかったものも、頑張ったなら自慢しましょう。
特に企画書は個々に作成するのではなく、がんがん皆で使い回しをして、これぞベストコンサルの提案を実施していきましょう。(中略)ベストコンサルの知識・天狗のように鼻が高くなる自慢話ネタをぜひぜひ入れてください。
良いね!ボタンもあるので、ぜひ見た方は良いね!ボタンだけでも押してください。
企画書を共有して会社全体の提案レベルを底上げすることに貢献している。
利用方法3
日々の社内業務を簡素化
3つ目は「業務の簡素化」。社内資料はファイル管理でフォルダごとに整理し、必要に応じて閲覧制限をかけている。業務に必要な資料が探しやすく、メンバーがいつでもどこからでも利用することができる。名刺の発注や直行直帰の申請などは、ワークフローで申請・承認できるようにした。資料を探したり、社内で確認するといった日々の業務が簡素化された。「サイボウズ Officeは業務に必要な機能が充実しているので、全てのデータと業務をまとめて管理することが可能です。」と佐藤氏は語る。
導入効果
仕組み化を活かして業績向上
ベストコンサル社はサイボウズ Officeで「行動管理」「業務の可視化」「業務の簡素化」を実現し、改正保険業法に対応しただけでなく、業績も向上した。契約中の保険だけでなく新規営業のアクションにいたるまで全ての業務に対し「誰が・何を・いつまでにすべきか?」をスケジュール画面で完璧に可視化できた。最近では新たに福岡支店を立ち上げ、そこでもサイボウズ Officeを活用している。創業以来26年連続で拡大してきた同社の売上は、この2年で2倍の伸張を遂げたという。
「カスタムアプリは、当社の成長戦略の“かなめ” です。今ではカスタムアプリなしでは当社の業務はまわりません。」と佐藤氏。
そして佐藤氏は、ベストコンサル社で実際に業務改革に取り組む傍ら、このノウハウを生かして株式会社ベストリスクマネジメントという会社で保険代理店向けに営業プロセス管理のコンサルティング事業を手掛けている。
▶︎株式会社ベストリスクマネジメント http://www.b-r-m.co.jp/
実務とコンサルティング業でカスタムアプリをフル活用している佐藤氏にカスタムアプリ作成のコツを聞いた。
「カスタムアプリを作る時、まずそのビジネスで何を実現したいか?ビジネスプロセスのポイントごとに何を把握したいか?を決めることが大切です。カスタムアプリを作るためにシステム開発のノウハウは不要と感じています。どう設定したらいいか行き詰まったら、サイボウズ Officeのサポートセンターに問い合わせれば大抵は解決します。その時、実現したいことは何か、を伝えると、できることとできないことを整理した上で、どんな方法があるか一緒に考えてくれます。ぜひサイボウズ Officeのサポートセンターを頼ってみてください。」
今後も佐藤氏のビジネス戦略とサイボウズ Officeを活用した仕組みづくりから目が離せない。
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